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明治安田J1リーグのアルビレックス新潟は2月26日、クラブの元スクールコーチが25日に酒気帯び運転で警察に検挙され、同日付けで契約を解除したことを発表。そんな中、新潟などのJクラブのスクールでコーチを務めている指導者達の契約形態や待遇などが関係者の話で明らかになった。
新潟で過去にスクールコーチを務めた人物によると、契約は1年ごとの業務委託契約で、1年目や2年目などの若手のスタッフはかなりの節約生活を強いられるほど、待遇は厳しい状況にあるという。なお、他クラブのスクールコーチは「どのクラブも基本は1年契約で契約更新か満了か決まる。いつクビになるかもわからないし、長年やっているベテランコーチとか相当な実績がないと収入はかなり厳しい」と明かしている。
Jクラブのアカデミーから指導者として複数のオファーを受けた人物は、提示された金額は月額15万円であったことを明かしている。Jリーグのブランドがついていてもアカデミー等の育成組織のコーチ陣はかなり厳しい環境に置かれているようだ。
また、各クラブが出している指導者関連の求人を見てみると、給与や報酬については応相談となっており、公開されていないケースも多い。いずれにしても正社員のような雇用契約はないため、社会保険等へ加入することはできず、確定申告等の税務上の手続きも自ら行う必要があるようだ。恵まれていない待遇にも関わらず複数回の面接や現場での実技選考が行われるケースも多く、採用基準は一般的なサッカースクール等のコーチに比べると厳しいのが現状だ。
新潟は2020年、当時所属していたブラジル人FWファビオが酒気帯び運転で検挙され、契約解除された過去がある。そのため、今回の不祥事を受けて「コンプライアンス研修の実施や社員および業務委託スタッフへのアルコールチェッカーの携行といった防止策や啓発活動を講じていました」と説明しているが、再発を防止することはできなかった。