ある研究では、子供の頃に不安定な家庭環境で育った人々は、大人になってから攻撃的な行動をとる可能性が高いことが示されています
研究チームは、親の厳しいしつけがダーク・テトラッド特性の発達とどのように関連しているのかを明らかにするため、調査を行いました。
子供がダークサイドに陥りやすい教育とは?
研究チームは18歳から80歳までの一般男女372人を対象に調査を行いました。
参加者は、自分の幼少期のしつけ経験についてのアンケートに回答し、その後、ダーク・テトラッド特性を測定する心理テストを受けました。
この質問票には「人々は私を生まれつきのリーダーだと見ている」「ほとんどの人は操作されるものだ」「人々はよく私のことを制御不能だと言う」といった記述が含まれており、参加者はそれぞれの項目に対し「全くそう思わない」から「完全にそう思う」までの尺度で同意度を評価します。
また、親のしつけの種類は以下の4つに分類されました。
1:非暴力的なしつけ(なぜそれが悪いことなのかを暴力でなく、言葉で丁寧に説明するなど)
2:心理的攻撃(怒鳴る、罵る、大声で脅す)
3:軽度の身体的暴力(手でお尻を叩く、頭を小突くなど)
4:重度の身体的暴力(首を掴む、絞める、強く殴りつけるなど)
その結果、次のような関連が見られました。
・親から心理的攻撃を頻繁に受けていた人は、サイコパシーやサディズム傾向が強かった
・親から重度の身体的暴力を経験した人は、ナルシシズムやマキャベリズムの傾向が高かった
・軽度の体罰や非暴力的なしつけは、ダーク・テトラッド特性とは関係がしていなかった
つまり、親から厳しい心理的・身体的虐待を受けた子供は、大人になってから他人を操作しやすくなり、反社会的な行動をとる可能性が高まるということです。
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以上の結果は、過激で暴力的な教育を受けることで、子供が将来的に「ダーク・テトラッド」のいずれかになりやすくなることを示しています。