国民はもう長年のマンネリ化した政治に飽きていた。しかも、いつも高騰インフレに悩まされ、一つの製品の価格が今日と明日では異なるという経験が頻繁に繰り替えされて来た。そして、政権はポピュリズムが続き、国民が聞きたいことを発言するが、実際の経済は相変わらず高騰インフレを繰り替えしているだけだった。それに国民はもううんざりしていた。
そこに登場したのがミレイ氏であった。彼は「100年前のアルゼンチンに国家を戻す」と国民に約束。その一方で、徹底した財政支出の削減を断行。その削減には補助金も削減し、それも最低限必要なだけにして、すべて打ち切った。例えば、電気代や水道代などにも補助金を出して、市民の負担を軽減させていた。公務員数も削減を断行した。また、前政府のスピーカー的な役目をしていた従業員700名の新聞社も閉鎖させた。
必要でない規制も撤廃させている。それは現在も続いている。
法定通貨を米ドルにする動きが開始された
ミレイ氏は多くの項目での税金の撤廃を進めて行く予定だ。アルゼンチンは国の経済規模に比べ輸出量が少ない。また規制が多く、外国から投資するにも魅力がない。だからは外貨が常に不足する傾向がある。外国でクレジットカードを使うと、それにも税が課せられる。外貨の流出を防ぐ為である。
ミレイ大統領は市販価格にペソと米ドルを一緒に表示することも今年から許可した。これは将来、アルゼンチンの法定通貨を米ドルに変える意向があるからである。元々、アルゼンチン人は自国通貨ペソへの不信から貯金は米ドルでする傾向にあり、法定通貨の米ドル化ということには抵抗はない。