ボルボがアウトドア志向BEVの新世代小型プレミアムSUV「EX30クロスカントリー」を発表。車高を約180mm高めるとともに、フロントとリアのスキッドプレートやホイールアーチエクステンションを装備して、悪路の走破性を強化。一部の市場では注文の受付を開始し、納車は今春後半からを予定。日本への導入時期は現在のところ未定

 ボルボ・カーズは2025年2月10日(現地時間)、アウトドア志向BEVの新世代小型プレミアムSUV「EX30クロスカントリー(EX30 Cross Country)」を発表した。

ボルボが電気自動車の新世代スモールSUV「EX30クロスカントリー」をお披露目
(画像=▲ボルボが電気自動車の新世代スモールSUV「EX30クロスカントリー」を発表。一部の市場では注文の受付を開始し、納車は今春後半からを予定する、『CAR and DRIVER』より 引用)

 新しいEX30クロスカントリーは2023年にプロトタイプが披露され、2024年中の発売を計画していたが、EX30シリーズの生産強化および欧州の中国に対する関税強化を鑑みて、生産工場を中国の張家口工場に加えてベルギーのヘント工場でも実施することになったため、2025年のリリースとなった。

 今回の披露の場では、ボルボの母国のスウェーデンで多くの人々に愛されるアウトドア・アドベンチャーからインスピレーションを受け、スウェーデン北部のラップランドの険しく美しい大自然を舞台に、ライブストリーミングの旅の形でEX30クロスカントリーを紹介する。

ボルボが電気自動車の新世代スモールSUV「EX30クロスカントリー」をお披露目
(画像=▲スウェーデン北部のラップランドの険しく美しい大自然を舞台に、ライブストリーミングの旅の形で新型EX30クロスカントリーを披露、『CAR and DRIVER』より 引用)

 エクステリアについては、既存のEX30のクロスオーバースタイルを基調に、車高を約180mm高めたうえで、フロントとリアのスキッドプレートやホイールアーチエクステンションを装備して、悪路の走破性を強化。また、フロントシールドとリアゲートリッドには特別なダークカラーを採用し、フロントにはスウェーデンの北極圏にあるケブネカイセ山脈の地形を表現したユニークなアートワークと、当地の緯度・経度を示す“67°54′0″N, 18°31′0″E”を入れる。Cピラー上部とリアバンパー下部には“CROSS COUNTRY”ロゴも刻印した。さらに、ロードキャリアやルーフバスケット、18インチオールテレーンタイヤ、マッドフラップなどで構成するアクセサリーパッケージの「クロスカントリー・エクスペリエンス」を設定している。

ボルボが電気自動車の新世代スモールSUV「EX30クロスカントリー」をお披露目
(画像=▲既存のEX30のクロスオーバースタイルを基調に、車高を約180mm高めたうえで、フロントとリアのスキッドプレートやホイールアーチエクステンションを装備して、悪路の走破性を強化する、『CAR and DRIVER』より 引用)
ボルボが電気自動車の新世代スモールSUV「EX30クロスカントリー」をお披露目
(画像=▲トールハンマー型のLEDヘッドランプを装備、『CAR and DRIVER』より 引用)
ボルボが電気自動車の新世代スモールSUV「EX30クロスカントリー」をお披露目
(画像=▲フロントシールドにはスウェーデンの北極圏にあるケブネカイセ山脈の地形を表現したユニークなアートワークと、当地の緯度・経度を示す “67°54′0″N, 18°31′0″E”を刻印、『CAR and DRIVER』より 引用)
ボルボが電気自動車の新世代スモールSUV「EX30クロスカントリー」をお披露目
(画像=『CAR and DRIVER』より 引用)
ボルボが電気自動車の新世代スモールSUV「EX30クロスカントリー」をお披露目
(画像=▲Cピラー上部(写真・上)とリアバンパー下部(同・下)には“CROSS COUNTRY”ロゴを入れる、『CAR and DRIVER』より 引用)
ボルボが電気自動車の新世代スモールSUV「EX30クロスカントリー」をお披露目
(画像=▲リアゲートリッドには特別なダークカラーを採用。リアコンビネーションランプは縦に2段のユニットで構成、『CAR and DRIVER』より 引用)

 インテリアに関しては、既存のEX30と同様にドライバーディスプレイとセンターディスプレイを12.3インチのタブレットに集約したコンバインドタイプのタッチスクリーン式ドライバーディスプレイ一体型センターディスプレイを採用したことがトピック。上部に速度や充電量などの運転に関する重要な情報を表示し、ナビゲーションやメディアなどの機能は下部に配置することで使いやすさと見やすさを追求する。さらに、Google搭載のハンズフリー支援およびナビゲーション、Google Playのお気に入りアプリなどを配備した。また、ドアからスピーカーをなくしてダッシュボード上のサウンドバーに組み込んだことで、ドアトリム部には大きな収納スペースを設置。さらに、運転席と助手席の間にある中央の収納スペース部にはフローティング構造の引き出し型カップホルダーやフロアコンソールなどを、センタートンネル部には取り外しが可能な後席乗員用のスライド式収納ボックスを装備する。サステナブルな素材を積極的に取り入れたことも訴求点で、廃棄物から作られた再生プラスチックや再生可能な繊維である亜麻などを導入している。

 一方、ステアリングには様々な装備や機能を操作できるスイッチをスタイリッシュにレイアウトしたスクエアデザインを採用。フロントシートは脊柱を効果的にサポートする形状に設計し、理想的なシートポジションに調整できるよう電動調整機構を内蔵する。また、後席は乗員が快適に過ごせるスペースを確保したうえで、シートバックに6:4分割可倒機構を配した。ラゲッジスペースについては、フラットなフロア面に仕立てたうえでアウトドア用の荷物が十分に積載できるスペースを確保。ゲートのリッドには収納できる荷物の大きさを正確に把握できる便利なガイド「Will it fit?」を付けている。

ボルボが電気自動車の新世代スモールSUV「EX30クロスカントリー」をお披露目
(画像=『CAR and DRIVER』より 引用)
ボルボが電気自動車の新世代スモールSUV「EX30クロスカントリー」をお披露目
(画像=▲既存のEX30と同様にドライバーディスプレイとセンターディスプレイを12.3インチのタブレットに集約したコンバインドタイプのタッチスクリーン式ドライバーディスプレイ一体型センターディスプレイを採用、『CAR and DRIVER』より 引用)
ボルボが電気自動車の新世代スモールSUV「EX30クロスカントリー」をお披露目
(画像=▲サステナブルな素材を積極的に取り入れたことも訴求点、『CAR and DRIVER』より 引用)
ボルボが電気自動車の新世代スモールSUV「EX30クロスカントリー」をお披露目
(画像=▲ドアからスピーカーをなくしてダッシュボード上のサウンドバーに組み込んだことで、ドアトリム部には大きな収納スペースを設置、『CAR and DRIVER』より 引用)
ボルボが電気自動車の新世代スモールSUV「EX30クロスカントリー」をお披露目
(画像=『CAR and DRIVER』より 引用)
ボルボが電気自動車の新世代スモールSUV「EX30クロスカントリー」をお披露目
(画像=▲運転席と助手席の間にある中央の収納スペース部にはフローティング構造の引き出し型カップホルダー(写真・上)やフロアコンソール(同・下)を配備、『CAR and DRIVER』より 引用)
ボルボが電気自動車の新世代スモールSUV「EX30クロスカントリー」をお披露目
(画像=▲フロントシートは脊柱を効果的にサポートする形状に設計し、理想的なシートポジションに調整できるよう電動調整機構を内蔵する、『CAR and DRIVER』より 引用)
ボルボが電気自動車の新世代スモールSUV「EX30クロスカントリー」をお披露目
(画像=▲後席は乗員が快適に過ごせるスペースを確保したうえで、シートバックに6:4分割可倒機構を配する、『CAR and DRIVER』より 引用)
ボルボが電気自動車の新世代スモールSUV「EX30クロスカントリー」をお披露目
(画像=▲フラットなフロア面に仕立てたうえでアウトドア用の荷物が十分に積載できるラゲッジスペースを確保、『CAR and DRIVER』より 引用)

 注目のパワートレインは、前後にモーターを配して総出力315kW(422ps)/542Nm(55.3kg・m)を発生するAWDシステムに、総電力量69kWhのNMCバッテリー(ニッケル・マンガン・コバルト三元系正極材リチウムイオンバッテリー)をフロア下に配して4輪を駆動。一充電での航続距離はWLTPサイクルで最大427kmを実現する。充電に関してはAC普通充電とDC急速充電に対応。DC急速充電では10%から80%までを約26分でこなす。また、シャシーにも専用セッティングを施し、既存のEX30に比べてよりストロークを伸ばすとともにソフトなスプリングレートおよびダンパー設定を採用している。

ボルボが電気自動車の新世代スモールSUV「EX30クロスカントリー」をお披露目
(画像=▲パワートレインは前後にモーターを配して総出力315kW(422ps)/542Nm(55.3kg・m)を発生するAWDシステムに、総電力量69kWhのNMCバッテリーをフロア下に搭載。一充電での航続距離はWLTPサイクルで最大427kmを実現、『CAR and DRIVER』より 引用)

 既存のEX30と同様、先進安全運転支援システムも充実しており、縦列、横列、直角、斜めのフィッシュボーン式などあらゆるタイプの駐車スペースに対応した新世代パークパイロットアシストや、自車後方から接近するサイクリストなどを検知してドライバーや乗員が不用意にドアを開けて進路を妨害してしまう事態を防止するドアオープニングアラート、様々な場面でドライバーの運転操作を支援するパイロットアシスト、昼夜を問わず他車や歩行者、サイクリストを検知して衝突の回避または衝突被害の軽減を図る衝突回避・被害軽減ブレーキシステム、ドライバーの注意散漫や眠気を検知するドライバーアラートシステムなど、最新のシステムを装備。また、デジタルサービスとしてGoogle Apps and Services(Google アプリ/サービス)やVolvo Cars app(テレマティクス・サービス/ボルボ・カーズ・アプリ)などを設定した。

ボルボが電気自動車の新世代スモールSUV「EX30クロスカントリー」をお披露目
(画像=▲最新の先進安全運転支援システムを組み込んで、アウトドアレジャーに向かう際の走行安全性を高める、『CAR and DRIVER』より 引用)

 なお、EX30クロスカントリーは一部の市場において注文の受付を開始し、納車は今春後半からを予定。日本への導入時期に関しては、現在のところ未定である。

提供元・CAR and DRIVER

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