車でお出かけする際に、ついてまわるのが「駐車場」の問題です。とくに施設の規模に対してスペースが確保されていない場所では、駐車場をめぐる小さなトラブルが生じることもあるでしょう。

また利用者の限られる施設では、独自の駐車ルールなどが原因となり、ややこしい事態が引き起こされることもあるといいます。

今回はドライバーの方々から、「駐車場で起きた理不尽なトラブル」について話を聞きました。

目次
テニスコート駐車場の「暗黙のルール」
「なんで俺の隣に止めたんだよ」と絡まれ…

テニスコート駐車場の「暗黙のルール」

公共の駐車場なのに“あのお方専用”…?駐車場で起きた理不尽な「謎ローカルルール」のトラブル
(画像=©xiaosan/stock.adobe.com、『MOBY』より 引用)

はじめて訪れる施設では、駐車場の位置や規模などが事前にわからず、何かと気を揉むことも多いものです。ましてやその駐車場に、常連たちの「暗黙の了解」があったとしたら……。

「運動不足を解消しようと、テニススクールを見学することにしたんです。ただ、そのテニスコートの駐車場はそこまで広くなく、入口に近いエリアは10台分ほど。そこに止められないと、少し離れた未舗装の砂利スペースに止めることになります。

体験レッスンの日、少し早めに到着し、最初に目についた近い方のスペースに駐車したんですね。そのままコートに向かい、コーチや他の人たちを待っていると、ラケバ(ラケットを入れるバッグ)を抱えたおば様グループが談笑しながらこっちに向かってきました。

とても愛想よく『あら、体験の人?』と声をかけられ、すぐ緊張もほぐれました。『はい、よろしくお願いします』と、和やかに会話を交わしていたんです。

ですがその後、開始直前にまた別のおば様が現れると、雰囲気が一変して。なんというか、その人の機嫌をとるような空気になったんですよね。やたらとウェアもテラテラしているし、一目で『この人は何か偉いポジションなのかな』というのがわかりました。

一応、練習の合間に私も挨拶したのですが、まさかのガン無視。『え、何かしたっけ?』と思い返しますが、全然思い当たることがなくて。

でも練習後、車の方に向かっているとき、最初に声をかけてくれたおば様から『あら、ここに止めてたのね……。ここは○○さんがいつも止めるところだから、避けた方がいいかもね』と……。

どうやら地元で昔から力のある土建屋さんの奥さんらしく、気を遣う雰囲気があるみたいなんですね。当然、そのスクールに通うのはナシにしました」(40代女性)

駐車場のなかで便利なスペースを目上の人に譲る、という考え方は理解できますが、テニススクールという場でそうした上下関係を意識しなければならないのは、やはり面倒に思えるものでしょう。

余計なストレスを抱えるくらいなら、「その場に加わることをやめる」というのも選択肢になると考えられます。

「なんで俺の隣に止めたんだよ」と絡まれ…

公共の駐車場なのに“あのお方専用”…?駐車場で起きた理不尽な「謎ローカルルール」のトラブル
(画像=©ButterflyEffect/stock.adobe.com、『MOBY』より 引用)

駐車場においては、通常「施設に近いゾーン」に車が集中するものです。一方で、ドアパンチを避けたいケースなど、あえて施設から離れた箇所に駐車するというドライバーもいるでしょう。

次に紹介するのは、そうした「位置どり」の問題が招いたトラブルです。

「大学の同期と旅行した際、河原でバーベキューをしようと、その近くのスーパーに行きました。かなり暑い日で、サンシェードを忘れてしまっていたので、駐車場のなかで日陰になっているゾーンに止めたんですね。店までは離れてしまいますが、買い物も長くなりそうでしたし。

しかし車に戻ると、隣に止まっていた車から50代くらいの男性が出てきて、私たちに向かって『なんで俺の隣に止めたんだよ』と凄んできて。『いや日陰がよかったんで』と返すと、『他にも空いてるだろうが! わざわざ隣に来るんじゃねぇよ』って。

たしかに日が当たるスペースはガラ空きなんですが、日陰になっているのはせいぜい5台分くらいで、他にもそのゾーンに止めている車はいましたし……。

友人が『日陰ここしかないじゃん』と突っ込むと、『お前らケンカ売ってんのか』と凄んできて。別の友人が『ヤバい人じゃん、行こ』と車に乗ったのですが、そのおじさんは車の進路に立ち塞がってきて、『逃げるんじゃねぇ!』と叫んでいます。

結局また車を降りて、店の人を呼び、最終的に警察にまで来てもらって。どうやら地元では有名なクレーマーだったらしく、警察も慣れた様子でおじさんを叱っていました。こっちは1時間くらい拘束され、正直モヤモヤが残りましたけどね」(20代男性)

駐車場で他の部分がガラ空きなのに、わざわざ他人の車の隣に駐車するドライバーは「トナラー」と呼ばれ、こうした行為をイヤがる人も多く見られます。

しかし上のケースでは、そのゾーンが日陰であり、「あえてそこを選ぶ理由」があったと考えるべきでしょう。一見するとトナラーに見える状況でも、相手には相手の事情があるケースもありますので、早とちりは避けたいところですね。