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フェラーリ80周年記念モデル。モータースポーツの興奮を凝縮
マラネッロから、ほぼ10年に一度の新型「スーパーカー」が登場した。その名もF80。生産は2025年末に始まる予定だが、限定台数799台を2027年いっぱいまでに作り終える。生産最終年が80周年アニバーサリーと重なる、というわけだ。
288GTO、F40、F50、エンツォ、ラ フェラーリといったスペチアーレモデルのことをマラネッロでは「スーパーカー」と呼ぶ。それ以外はGTカー(ローマやプロサングエ)でありスポーツカー(SF90や296GT)なのだ。
正式発表の少し前、厳戒態勢のマラネッロで実車と対面し説明を受けた。最も驚かされたのは価格。なんと360万ユーロ以上(イタリア国内価格でVAT=付加価値税を含む/約5億8080万円)。ハイパーカーインフレは留まるところを知らないが、それでも全量の仕向け先は「決まっている」らしい。
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F80は、フロントにeアクスル(電気モーター×2)、リアには3リッター・120度V6電動ツインターボ+1モーター+8速DCT、2.28kWhバッテリーというハイブリッドパワートレーンを積み込んだ。システム総合の最高出力は1200cvで乾燥重量が1525kgというから、パワーウェイトレシオは1.27kg/cv。なお、完全EV走行は不可。
性能スペックも圧巻だ。0→100km/h加速2.15秒、0→200km/h加速5.75秒を誇る。最高速度は350km/h(リミッター作動)。もちろんマラネッロ製ロードカーとしては史上最強。空力性能も秀でており、250km/h走行時にフロントで最大460kg、リア590kg、合わせて1050kgものダウンフォースを得る。
総合パフォーマンスの凄まじさは推して知るべし。フィオラノテストトラックでのラップタイムは1分15秒3で、ラ フェラーリよりも4秒以上速く、SF90XXよりもまだ速い。というか、スリックタイヤを履いたV8ミドシップのGT3レーシングカー級のタイムだ。
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外観デザインに目を移そう。シンプルな形状の上半身に下半身は空力モンスター、というあたりは最近のハイパーカートレンドだ。F40風モチーフもあれば、ドーディチ・チリンドリ風マスクも目立つ。キャビンの小ささとAピラーの傾斜、サイドショルダーの大きさもユニーク。「次世代カスタマー」を意識した空力デザインであることは明らかだ。
ベアシャシーも展示されていた。F1マシンのようなバスタブとアンダーシャシーで、前後のパワートレーンはこの上なくコンパクトにまとめられ、かなり低い位置に置かれる。中でもフロントeアクスルはSF90用に比べ相当に小さい。モーターを含め自社開発としたからこそ可能になったサイズだ。アクティブサスペンションシステムはマルチマティック社との共同開発品。前後サスペンションのアッパーアームは最近流行りの3Dメタルプリンター製だった。
F80はあえてV6ツインターボにこだわった。ル・マン24時間レースを制したWECマシンの499Pはもちろん、F1マシンもいまやV6。499Pと同じ動力アーキテクチャーをロードカーに転用することが、レースの世界でブランド力を培ってきたマラネッロの「理」にかなっているというわけだ。
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提供元・CAR and DRIVER
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