参加者は、

・50gのクルミを含む朝食(クルミ群)

・クルミを含まない朝食(対照群)

の条件でそれぞれ別の日に朝食を摂取し、朝食前と2時間後、4時間後、6時間後に認知機能テストや脳波(EEG)の測定を行いました。

また、血糖値や脂肪酸の変化も記録し、クルミが脳のエネルギー供給にどのように影響するのかを調査しました。

その結果、次のような効果が示されたのです。

1:反応速度とタスク切り替え能力の向上

クルミを摂取したグループは、一日を通じて脳の反応速度が向上し、注意力やタスク切り替え能力が高まることが確認されました。

2:記憶力の向上(ただし時間差あり)

朝食後2時間では、クルミ群の記憶力がやや低下しましたが、6時間後には逆転し、クルミ群の記憶力が有意に向上していました。

3:脳波(EEG)の変化

クルミ摂取後、アルファ波、デルタ波、シータ波の活動が前頭葉で増加し、これは注意力や記憶の処理能力の向上に関連していることが示唆されました。

4:血糖値の上昇と脂肪酸の減少

クルミを摂取したグループは、血糖値がやや上昇し、脂肪酸が低下していましたが、これはクルミが脳へのエネルギー供給を最適化している可能性を示しているといいます。

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Credit: canva

今回の研究により、朝食にクルミを加えることで、注意力やタスク切り替え能力が向上し、記憶力も時間とともに向上することが示されました。

特に、クルミに豊富に含まれるオメガ3脂肪酸やポリフェノールが脳波や血糖値の変化を通じて、認知機能を高めている可能性が示唆されています。

つまり、「朝食に一握りのクルミを加えるだけで、1日を通して頭が冴える可能性がある」ということです。

もちろん、今後さらなる研究が必要ですが、クルミを朝食に取り入れることは、手軽にできる脳のパフォーマンス向上策かもしれません。

明日の朝食に、クルミをひとつまみ加えてみてはいかがでしょうか?