ヴァンス氏はワシントンでは自身のドイツ批判を更に一歩進め、米軍のドイツ駐留と関連して、「ドイツの防衛は、米国の納税者によって補助されている」と述べ、ドイツに駐留する米軍兵士の存在に言及している。そして「ドイツで誰かがたった一つ悪意あるツイートをしただけで投獄されるとしたら、米国の納税者がそれを容認するだろうか」と問いかけたのだ。
欧州には約78000人の米軍兵士が駐留している。そのうち、約37000人はドイツに駐留中だ。そして北大西洋条約(NATO)の軍事力、核の抑止力と通常兵器は米軍なくして考えられないことは言うまでもない。ヴァンス氏はその米軍をドイツの「言論の自由」が保証されないならば、撤退すると脅かしたのだ。ヴァンス氏のミュンヘンの発言内容より、ワシントンでの発言内容はもっと深刻だ(ただし、ヴァンス氏は「米国は欧州との重要な同盟関係を維持していく」と述べている)。
問題は欧州諸国、特にドイツだけではない。ドイツの不十分な「言論の自由」について苦情を呈し、ドイツの安全保障問題に関連づけたヴァンス氏が日本を訪問した場合を考えてほしい。これは時間の問題でヴァンス氏は日本を訪問するだろうから、以下指摘するテーマは今から想定し、対応を検討すべきテーマだと考えるのだ。
トランプ米大統領は6日、ワシントン市内で開かれた全米祈祷朝食会で演説し、米国は「神の下の一つの国」であり、宗教心を取り戻すことが重要だと強調。反キリスト教的な偏見を根絶するため、ホワイトハウスに「信仰オフィス」を設立し、その責任者に自身の宗教顧問であるポーラ・ホワイト牧師を充てると発表した。トランプ氏は「宗教の自由がないところに、自由な国はない」と述べている。
それに先立ち、ヴァンス米副大統領は5日、ワシントンで開催された国際会議「国際宗教自由(IRF)サミット」で演説し、トランプ政権が国際的な信教の自由擁護を外交政策の優先課題に位置付け、その取り組みを強化していく姿勢を明確にし、「米国の外交政策の中で、信教の自由を尊重する政権とそうでない政権との違いを認識し、区別しなければならない」と述べている。