■中国の偉人・呉竜府(ご・りゅうふ)

(画像=『Sirabee』より引用)
そんな中、「ゴルフの起源は中国の呉竜府(ご・りゅうふ)が考案した説が支配的である」という一文がネット上で今も漂っていることをご存知でしょうか。
この言葉、1985年から『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載が開始された『魁!!男塾』(作・宮下あきら)に登場した一節。
同作内では、地上15mにそびえ立つ土俵で生死をかけた相撲対決や、毒薬を飲んだ上で解毒剤を奪い合う球技「羅惧美偉(ラグビー)」などのシーンが登場しますが、その荒唐無稽なハチャメチャ設定を読者に納得させるため、毎回作中に登場するのが架空出版社「民明書房」の刊行物。

(画像=『Sirabee』より引用)
いかにも歴史上に存在していたかのような説明を添え、最後に「民明書房刊『スポーツ起源異聞』より」とご丁寧に出典元まで記すスタイルで読者を信じさせ、より作品に没入させました。前述の一節は、そこで登場したものです。
同じパターンで『中国武具―その創造と継承―』『世界の怪拳・奇拳』『バットマンかく語りき』『ツタンカーメンの逆襲』などの出典元がコミック各話に記されていましたが、一言でまとめると「ゴルフの発祥=呉竜府説」は……ウソです。

(画像=『Sirabee』より引用)
魁!!男塾 第1巻