「相手から信用されておまかせされた側」は相手の期待値を超えるべく、誠意を尽くして全力で仕事をするべきなのは言うまでもない。だが「頼む側」は相手に期待をしない。これがあらゆる怒りの発生を消してくれるのだ。

口で言うのは簡単でも、実際にこれを両立させることはなかなか難しい。普通は相手を信用しておまかせをすると、どうしても期待してしまうからだ。

人が人に怒る時、そこには必ずと言っていいほど「期待を裏切られた事による怒り」がある。だから期待することをやめれば平和な世界がやってくる。

だが多くの場合、勝手に相手に過大な期待をして、勝手に裏切られたと一人で怒っているに過ぎないのだ。

「言わなくてもこのくらいやってくれて普通でしょ」という傲慢な態度が怒りを作り出している。

相手は自分とは別個体の生き物であり、まったく異なる価値観、思考プロセスを持っている。自分の思想を押し付け、そのとおりに行かないからと怒り出すのは子供が親に地団駄を踏むようなチャイルディッシュな行動であり、慎むのが良いだろう。

人に怒りを見せてはいけない。怒りは人生の履歴書そのものである。

 

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