iPhone 16eは、主に 「iPhoneの最新モデルを手頃な価格で手に入れたい層」 に向けた製品である。
ターゲット①:価格重視のユーザー 円安の影響で年々、iPhoneシリーズの価格が上昇する中で、「最新のiPhoneを10万円以内で購入したい」と考えるユーザーは一定数存在する。これまではiPhoneSEがその役割を担ってきた。今回発表されたiPhone 16eはそうした層に最適な選択肢を提供するといえる。
ターゲット②:iPhone SEの後継を求める層 現行のiPhone SE(第3世代)はA15チップを搭載したコンパクトモデルだが、発売日が2022年で随分と時が経過しバッテリーなども劣化している。
iPhone 16eはこれに代わる 最新デザインのエントリーモデルとして、現行でiPhoneSEユーザーからの乗り換え需要を生み出すと推測できる。
その一方で、筆者のように毎年最新のiPhoneを使用するようなユーザーは 「フル機能のiPhoneを求める層」 であり、Pro、Pro Maxモデルを選択し、いち早くAppleの最新技術を活用したいと考える。
実際、筆者は無印モデルとの違いにおいて、USBの転送速度、カメラの数のスペック差だけでPro Maxの購入を決めた。アップル信者にとって「廉価版」より「ハイスペ全部入り」の方がグッと来る要素なのだ。
そのため、両者のターゲットは明確に異なり、カニバリズムは起こりにくいという主張をしたい。
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iPhone 16eとiPhone 16は、価格や機能の差別化が明確であり、それぞれ異なるターゲット層に向けた製品である。そのため、 iPhone 16eが登場したからといって、iPhone 16の売上が大きく落ちることはない。むしろ、Appleにとってはより幅広い層のユーザーを取り込めるメリットがあると考える。
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