まず、参加者には「理想的な長期的パートナーに求める特性」を尋ね、知性と身体的魅力のどちらを重視するかを自己申告してもらいます。
その結果、娘も親も「知性」を重要視すると回答していました。
次に、実験的な選択肢が提示されました。研究者は、事前に魅力度を評価された男性の写真を2枚用意し、
・1人は「より魅力的」
・もう1人は「それほど魅力的ではない」
という条件を設定しました。
さらに、それぞれの男性には「高い知性」または「低い知性」という説明を加え、以下の4パターンを作成しました。
1:高魅力・高知性
2:高魅力・低知性
3:低魅力・高知性
4:低魅力・低知性
参加者はこれらの男性を評価し、最終的にどちらを自分自身の、あるいは娘の長期的なパートナーとして選ぶかを決定しました。
その結果、娘の72.6%、親の59.6%が「知性のレベルに関係なく、見た目のより魅力的な男性」を選ぶことが判明したのです。
この結果は、従来の「親は長期的な安定を重視し、知性のある相手を推奨する」という考え方に反しています。
むしろ、親自身も外見の重要性を認識しており、無意識のうちに魅力的な男性を選ぶ傾向があることが示されたのです。
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参加者が知性よりも外見を重視した理由として、以下の要因が考えられます。
・進化的視点:身体的魅力は「健康」や「良好な遺伝子」の指標であり、無意識のうちにより魅力的な相手が好まれる傾向があります。
・第一印象の影響:外見は直感的に判断しやすいため、知性よりも選択の決め手となりやすい。
・社会的要因:親自身も、娘のパートナーが魅力的であることに社会的価値を感じる可能性があります。
・無意識のバイアス:親は理論的には知性を重視すると回答しても、実際の選択では無意識のうちに外見の良い相手を選んでしまうことがあります。
こうした要因が重なり合い、結果として親も娘と同じく「より魅力的な相手」を選ぶ傾向が強くなったと考えられます。