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2025シーズンのJ1リーグは開幕したばかりだが、サンフレッチェ広島は昨2024シーズン最終節でタイトルを逃した悔しさをバネに、序盤から優勝候補ともいえる戦いを見せている。
まず2月8日のゼロックス・スーパーカップでは昨シーズンJ1王者のヴィッセル神戸を2-0で破り、16日おJ1開幕戦では町田ゼルビアを2-1で撃破。いずれも昨シーズンの優勝争いに絡んだチームだけに、まだ第1節が終了した時点とはいえ、現在の広島の勢いは本物かもしれない。さらにAFCチャンピオンズリーグ2(ACL2)でも結果を残しており、ラウンド16(2月12日、19日)ではベトナムのテップ・サイン・ナムディンに2試合合計で7-0と圧勝した。
ドイツ人のミヒャエル・スキッベ監督の下、チームは昨シーズンの主力を維持しながら完成度を高めている。【3-4-2-1】の戦術は浸透し、MFトルガイ・アルスランとFW加藤陸次樹が攻撃をけん引。MF東俊希、DF中野就斗らも機能し、攻守のバランスも取れているようだ。
広島の課題はストライカーの確立ともいわれている。昨シーズンはFWピエロス・ソティリウ(APOELニコシア)、FWドウグラス・ヴィエイラ(無所属)、FWゴンサロ・パシエンシア(スポルチ・レシフェ)が軸になれず、今シーズンはJ2に降格したジュビロ磐田から昨シーズンJ1で19ゴールを挙げたFWジャーメイン良を獲得。加入後から4試合で無得点だが、戦術的な理解を深めれば一定のゴール数は期待できるはずだ。
一方で、神戸は15日の開幕節で浦和レッズとスコアレスドロー。広島とのスーパーカップでは主力を温存しており、FW大迫勇也、FW武藤嘉紀、DF酒井高徳といった実力者が控えに回っていた。もちろんスロースターターとしても知られる同チームの実力はこれから発揮されるはずだ。