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アジアサッカー連盟(AFC)は2月19日、山東泰山(中国1部)がAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)から途中撤退すると公式発表。同クラブは「選手の身体的不調」と理由を説明しているが、ヴィッセル神戸をはじめ一部クラブの順位に影響を与える可能性があるだけに、中国国外では不満が湧き起っている。
山東は19日に敵地で蔚山HD(韓国1部)と対戦する予定だったが、これを棄権。AFCは関連委員会を通じて最終決定を下す方針を明らかにしているが、大会規則第5条6項では「競技開始後に競技から撤退する参加クラブは、そのすべての試合がキャンセルされ、無効とみなされる」と明記。山東戦の結果が全試合無効となる可能性がある。
その場合、山東戦で勝利していた神戸、川崎フロンターレ、浦項、引き分けていた横浜F・マリノスの勝ち点が減少。神戸は5位に転落し、ラウンド16の1stレグ、2ndレグのホーム、アウェイの開催が前後することになる。
他クラブへの影響が避けられないだけに、Jリーグの情報を中心に扱う海外メディア『Jリーグインサイダー』は20日、Xでこう綴っている。
「山東泰山はヴィッセル神戸に損害を与えた。このACLEの騒動で、中国のクラブには2,3年の出場停止処分が科されるはずだ。次回大会では、本大会ストレートイン2枠を日本と韓国に、プレーオフ出場権はベトナムに与えるべきだと思う。ただそうなるだろうか?もちろんAFCが加担しているから無理だろうが…。中国はAFCチャンピオンズリーグのエリートになるべきアジアのエリートでないことが明らかになった」
これにくわえて、海外では大会主催のAFCや山東泰山に対する批判が相次いでいる。神戸は18日開催の最終節・上海申花戦でFW大迫勇也をベンチスタートとするなど、ターンオーバーを実施。2-4で敗れているが、山東泰山の撤退表明が前倒しとなっていたらベストメンバーで臨んでいた可能性もあるだけに、AFCには他クラブへの影響を最小限にとどめるような裁定が求められる。