研究では、化石の軟組織を詳しく観察し、どのような構造を持っているのかを調べました。

その結果、プレシオサウルスの尾の皮膚は滑らかで、メラノソーム(色素細胞)が豊富に含まれていると分かりました。

研究チームは、「プレシオサウルスは魚やイカのような生物を捕まえるために効率よく泳ぐ必要があったが、滑らかな皮膚のおかげで楽に泳げた」とコメントしています。

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ヒレの皮膚には三角形の鱗が存在すると判明 / Credit:Lund University

一方で、ヒレの皮膚には小さな三角形の鱗が存在することが分かりました。

研究チームによると、「この鱗状の皮膚は、亀の甲羅やモササウルス科の鱗によく似ている」ようです。

このプレシオサウルスの鱗状のヒレは、水中での推進力を高めたり、海底を移動する際の安定性を向上させる役割があったと考えられます。

つまり、最新の分析により、プレシオサウルスは滑らかな皮膚と鱗状の皮膚の両方を持っていたと分かります。

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軟組織の分析から、プレシオサウルスの皮膚について理解が深まる / Credit:Lund University

プレシオサウルスは、海の中で効率的に泳ぐだけでなく、海底でも活動していた可能性があります。

このように、これまでの研究では考えられていなかった新たな特徴が示されたことで、プレシオサウルスの生態に関する理解が進みました。

今後、保存状態のより良い標本が発見されるなら、プレシオサウルスの外見や生態が一層明確に復元されるでしょう。

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参考文献

Soft tissue from a 183 Million-Year-Old Jurassic Plesiosaur analysed
https://www.lunduniversity.lu.se/article/soft-tissue-183-million-year-old-jurassic-plesiosaur-analysed