内閣府が17日発表した2024年10~12月期の国内総生産(GDP、季節調整済み)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.7%増、年率換算で2.8%増だった。プラス成長は3四半期連続。企業の設備投資や外需がけん引したが、内需の柱である個人消費は0.1%増と小幅の伸びにとどまり、消費の回復は鈍い。
24年通年の実質GDPは前年比0.1%増と、4年連続プラス成長を維持。物価変動の影響を反映した名目GDPは2.9%増、実額は609兆2887億円で、初めて600兆円を突破した。1992年に500兆円に達して以来、32年ぶりに節目を超えたことになる。
10~12月期実質GDPの内訳を見ると、個人消費は3期連続プラスだが、伸び率は前期(0・7%増)に比べ縮小した。宿泊需要や冷蔵庫といった白物家電が伸びた一方、飲料やコメ、野菜などが減少。初の南海トラフ地震臨時情報を受けて災害備蓄需要が拡大した反動に加え、長引く物価高が消費を抑制した可能性がある。
設備投資は0.5%増で2期ぶりのプラス。半導体製造装置やソフトウエア投資などが好調だった。住宅投資は0.1%増となったが、公共投資は0.3%減で、人件費や資材価格の高騰が影響したとみられる。
輸出は特許の売却などが含まれる研究開発サービスの輸出が伸び、1.1%増と3期連続のプラス。統計上は輸出に計上されるインバウンド(訪日客)消費もプラスに寄与した。GDPの押し下げ要因となる輸入は、2.1%減で3期ぶりのマイナス。医薬品や電子部品が減った。
GDPの増減に与える影響(寄与度)は内需がマイナス0.1%、外需はプラス0.7%で、外需が全体の実質GDPを押し上げた格好だ。
赤沢亮正経済財政相は17日、「雇用・所得環境が改善する下で、景気の緩やかな回復が続くことが期待される」とのコメントを公表。その一方、「食料品など物価上昇の継続が個人消費に与える影響に注意する必要がある」とも指摘した。
◎24年10~12月期のGDP速報値
◇実質成長率 0.7 年率 2.8
◇寄与度 内需 ▲ 0.1 外需 0.7
◇主要項目 増加率 寄与度
個人消費 0.1 0.1
住宅投資 0.1 0.0
設備投資 0.5 0.1
民間在庫 ― ▲ 0.2
公共投資 ▲ 0.3 ▲ 0.0
輸出 1.1 0.2
輸入 ▲ 2.1 0.5
◇名目成長率 1.3 年率 5.1
◇GDPデフレーター 2.8
(注)数字は%。民間在庫は寄与度のみ。GDPデフレーターは前年同期比でその他は前期比。▲はマイナス
(了)
(記事提供元=時事通信社)
提供元・Business Journal
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