ワークフロー音楽の例はこちら。(音量に注意してご視聴ください)

そして各条件での実験結果を比較したところ、ワークフロー音楽だけが参加者の気分を向上させ、情報処理速度を高める有意な効果を持つことが判明したのです。

ワークフロー音楽に特有の「強いリズム、シンプルな調性、広範囲な周波数エネルギー、適度なダイナミズム」は、脳の集中力が高まる「フロー状態」を確かに促すことが示されました。

フロー状態とは、目の前のことに没頭して、時間が経つのも忘れるほど集中し切っている脳の状態のことを指します。

研究者によると、ワークフロー音楽の強いリズムとシンプルな調性が脳に予測可能なパターンを提供することで、認知の流れのスムーズさを促しているのではないかと考察しています。

以上の研究から「ワークフロー音楽」として作られた音楽が、作業の効率を上げるのに有効であることが科学的に証明されました。

集中したいときには、歌詞のある曲や環境音ではなく、リズムが明確で、シンプルなメロディーのインストゥルメンタル音楽を選ぶのが良いかもしれません。

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参考文献

Good News, Folks! Your Flow Playlist Is Working
https://www.iflscience.com/good-news-folks-your-flow-playlist-is-working-78048

元論文

Effects of music advertised to support focus on mood and processing speed
https://doi.org/10.1371/journal.pone.0316047

ライター

千野 真吾: 生物学出身のWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。

編集者

ナゾロジー 編集部