トヨタ自動車など国内自動車大手7社が14日までに発表した2024年4~12月期連結決算は、ホンダと日産自動車など4社の純利益が前年同期を下回った。減益だった4社は電気自動車(EV)が急速に普及している中国など、アジア市場で販売が低迷した。特にホンダとの統合協議が決裂した日産は、純利益が前年同期比98.4%の大幅減と業績不振が際立っている。
日産は中国のほか、日本国内や欧州でも販売の落ち込みに歯止めがかからず、販売促進のために投入した多額の奨励金が収益を圧迫した。今後、業績悪化に伴うリストラ費用として約1000億円を計上する予定で、通期の純損益は800億円の赤字(前期は4266億円の黒字)に転落する見通し。内田誠社長は記者会見で「混乱を収束させることが喫緊の役割だ」と述べ、4000億円のコスト削減を実行すると強調した。
ホンダは4~12月期の純利益が7.4%減。四輪車は日本や米国で販売が堅調なものの、中国では厳しい状況が続く。東南アジアなどで堅調なバイク事業に支えられているのが実態で、青山真二副社長は「四輪の利益率は低い」と認める。日産との統合で期待していた製造原価や開発費の削減効果を穴埋めし、四輪事業の反転攻勢につなげられるかが今後の課題だ。
中国で苦戦したマツダは45.3%、主要市場のタイで販売にブレーキがかかった三菱自動車は67.7%の大幅減益だった。
一方、認証不正問題の影響を脱しつつあるトヨタや、円安の追い風を受けたSUBARUは増益を確保した。インドで販売が好調だったスズキは大幅増益で、通期純利益予想を上方修正した。
◇自動車7社の連結純利益
2024年4~12月期 25年3月期予想 従来予想比
トヨタ 41,003 45,200 上方修正
( 3.9) (▲ 8.6)
ホンダ 8,052 9,500 据え置き
(▲ 7.4) (▲14.2)
SUBARU 3,174 3,300 上方修正
( 6.2) (▲14.3)
スズキ 3,117 3,700 上方修正
( 31.5) ( 16.7)
マツダ 905 1,400 据え置き
(▲45.3) (▲32.6)
三菱自 332 350 下方修正
(▲67.7) (▲77.4)
日産 51 ▲ 800 従来は「未定」
(▲98.4) ( ― )
(注)単位億円、億円未満切り捨て。かっこ内は前年同期比増減率%。▲はマイナスまたは赤字。―は比較できず。マツダ、三菱自、日産は日本基準、他は国際会計基準
(了)
(記事提供元=時事通信社)
提供元・Business Journal
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