大動脈瘤は、心臓から全身に血液を送る大動脈が異常肥大する病気です。
これが破裂すると大量に内出血し、死に至る危険もあるため、早期発見が欠かせません。
一方で、大動脈瘤には自覚症状がほとんどないため、発見が難しい病気として知られます。
しかし、イェール・ニューヘブン病院(米)は21年に、大動脈瘤の発見に有効な片手で簡単にできる自己診断テストを発見。
誰でも数秒でチェックできるので、ぜひ試してみましょう。
研究は、2021年5月18日付けで『American Journal of Cardiology』に掲載されています。
目次
- 親指を小指に向かって伸ばすだけ
親指を小指に向かって伸ばすだけ
早速、診断テストの方法を紹介しましょう。
まず、手のひらを上にした状態で片手を出してください。右と左のどちらでもかまいません。
次に、その状態のまま、親指だけをゆっくりと小指側に向かって伸ばしていきます。
無理に力を入れず、自然と伸びるところまで伸ばしてください。
これだけです。
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このとき、親指が中指〜小指あたりで止まれば問題ありません。
しかし、小指を超えるほど伸びた場合、大動脈瘤を持っている可能性があります。
研究主任のジョン・エレフテリアデス氏によると、「これほど親指が伸びることは、長骨が過剰で関節が緩んでいることを示しており、大動脈瘤の兆候として知られている」とのこと。
実際に、大動脈瘤を含むさまざまな疾患で心臓手術を受けたことのある患者305名を対象に調査したところ、親指が過剰に伸びる傾向が高かったといいます。
また、大動脈瘤のタイプは主に「胸部」と「腹部」に分かれますが、このテストで分かるのは、前者の心臓から上方向に伸びる血管にできる「上行大動脈瘤」です。
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