
AFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)の試合で、中国の山東泰山のサポーターが韓国の光州FCを挑発する目的で全斗煥(チョン・ドゥファン)元韓国大統領の写真を掲げたことが明らかになった。試合会場で政治的なメッセージを示す行為はFIFA(国際サッカー連盟)やAFC(アジアサッカー連盟)の規定で禁止されており、光州はAFCに提訴する方針を示している。
問題となったのは、2月11日に中国で行われた山東対光州戦(3-1)の試合中の出来事だ。SNSには観客席の写真が投稿され、山東のサポーターが全斗煥元大統領の写真に加え、北朝鮮の金日成(キム・イルソン)主席や金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の写真を掲げた様子が確認された。警備員によって制止されたが、光州の選手を刺激しようとする意図があったとみられる。
全斗煥元韓国大統領は、1980年から1988年まで韓国の大統領を務めた。1980年の光州民主化運動当時、軍を動員して武力鎮圧を行い、多くの市民が犠牲になったとされる。この事件は韓国社会に大きな影響を残し、光州市にとっても特別な意味を持つ。そのため、光州を本拠地とする光州FCの試合で同写真が掲げられたことは、物議を醸している。
今回の行為が規定に違反する可能性があるとして、FIFAおよびAFCの今後の対応が注目される。『朝鮮日報』によると、韓国国内では「政治的な挑発行為は許されない」「山東にも制裁を科すべきだ」といった声が上がっているようだ。