ルノーがフランスのパリで開催されたレトロモービル モーターショーにおいてに電力消費量と航続距離の新記録を樹立するために企画したEVデモカーの「フィランテ レコード 2025」を披露。軽量かつ高剛性のカーボンファイバー素材を多用したボディおよびシャシーに、エアロダイナミクスとパフォーマンスを最適化したエクステリア、航空機や宇宙船からインスピレーションを受けたシングルシーターのコクピットなどを採用。2025年前半には記録チャレンジを敢行する予定
仏ルノーは2025年2月5日~9日にパリのポルト・ド・ヴェルサイユ見本市会場で催されたレトロモービル モーターショー2025(Rétromobile motor show 2025)において、電力消費量と航続距離の新記録を樹立するために開発したEVデモカーの「フィランテ レコード 2025(Filante Record 2025)」を披露した。
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フィランテ レコード 2025は、ルノーが1925年に発表し、3時間の世界最高速度記録、500kmの世界最高速度記録、500マイルの世界最高速度記録を樹立した「40CV des records(40CV デ・レコード)」にインスパイアを受けて企画。カーボンファイバー素材を多用したボディおよびシャシーにエアロダイナミックデザイン、徹底して最適化された重量、そして技術的な効率性を兼ね備えた、新進の電気自動車のデモカーに仕立てたことが特徴である。車名のフィランテ=Filanteは、1956年に新しい速度記録を樹立する目的で設計され、米国ボンネビルのソルトレイクで数々の速度記録を更新した「エトワール フィランテ= Etoile Filante」に由来している。
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基本骨格については、軽量かつ高剛性なカーボンファイバー素材を多用したボディおよびシャシーで構成。ここにリジェ・オートモーティブと共同で手がけた、音速を突破する戦闘機など航空機の空力特性を応用したエアロダイナミクスパッケージを導入する。具体的には、戦闘機のキャノピーをイメージさせるエアロダイナミクスバブルを備えたキャビンや、音速を超える航空機の曲線や形状を彷彿とさせるボディワーク、エアフローを最適化するとともにワイドなサイドホイールフランジと組み合わせた独立タイプのフェアリングなどを採用。ディテールにもこだわり、大胆な円型ヘッドランプや半円形のリアランプ、シャープな造形の前後端、リアカウルのサイドに刻む☆のアクセントを加えたFilante Record 2025ロゴ、40CV des recordsのデビュー年“1925”からFilante Record 2025のデビュー年“2025”と100周年を表す数字を入れたリアホイールカバーなどを配備し、合わせてボディカラーには光の反射や見る角度によってブルーにもバイオレットにも見える新色の「ウルトラバイオレットブルー(Ultraviolet Blue)」を纏った。車重に関しては、剛性レベルと安全性を最適化するとともに600kgの駆動用バッテリーを搭載しながらも、1000kg以下に抑制。バッテリー自体は従来製品に比べてエネルギー密度を高めた新タイプを搭載する。ボディサイズは全長5120×全高1190mmに設定した。
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外観と同様、コクピットについても航空機、さらにはスペースシップからインスピレーションを受けて、パフォーマンス、快適性、効率性を最大化するようデザインする。キャノピーの開閉機能やクルーズコントロール、アクセル&ブレーキ、そしてセーフティ機能など、重要なシステムはすべてドライバーの近辺に最適化して配置。革新的なコントロールアーキテクチャーを導入したステアリングホイールは、電子制御化されたステア・バイ・ワイヤとブレーキ・バイ・ワイヤの最新技術とともに、アクセル、ブレーキ、ステアリングの各機能を最適に制御する。また、従来のペダルアセンブリーは省略し、ブレーキの制動力は電子制御システムによってマネージメント。ステアリングホイール中央にはフレキシブルなパノラマスクリーンを設け、速度、航続距離、運転パラメーターなどのデータをクリアかつ瞬時にドライバーに提供する。ステアリング周辺には、エアバス社の子会社であるAPワークス社が開発した3Dプリンターによる操作デバイスも組み込んだ。
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キャノピートップのエアロダイナミクスバブルはフロントを支点に上方へと立ち上がり、またステアリングなどの主要コクピット機構もエアロダイナミクスバブルに付属しているため、ドライバーの乗降部は十分なスペースを確保する。シート自体は薄いカーボンブレードを骨格に、テクニカルテキスタイルの表皮で覆った軽量バケットタイプを装着。座面サイドには“100”“1925→2025”のロゴを刻印した。また、ドライビングポジションはF1マシンを参考とし、良好で安全な視界を確保。ドライバーの足もとにはバッテリーを配し、最適な重量バランスを実現している。
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なお、ルノーは今春にフィランテ レコード 2025の本格的な風洞試験を開始して微調整を行い、2025年前半には電力消費量と航続距離の記録チャレンジを敢行する予定だとアナウンスしている。
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提供元・CAR and DRIVER
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