フォルクスワーゲンが独ウォルフスブルグで開催した労使会議において、フォルクスワーゲン コアブランドの未来に向けた計画を発表。合わせて本年3月初旬にプロトタイプを一般公開し、2027年に市販化を予定する電気自動車のエントリーモデルを披露

独フォルクスワーゲンは2025年2月5日(現地時間)、本社工場を構える独ウォルフスブルグにおいて、フォルクスワーゲンブランド最高経営責任者のトーマス・シェーファーCEO、フォルクスワーゲンAGグループ従業員協議会のダニエラ・カヴァッロ会長、ウォルフスブルグ工場のウーヴェ・シュワルツ工場長ら出席のもと、労使会議を開催。この場でフォルクスワーゲン コアブランド(Volkswagen、Volkswagen Commercial Vehicles、SKODA、SEAT、CUPRA)の未来に向けた計画やウォルフスブルグ工場の展望を発表するとともに、本年3月初旬にプロトタイプを一般公開し、2027年に市販化を予定する電気自動車のエントリーモデルを初披露した。

フォルクスワーゲンが労使会議で電気自動車のエントリーモデルを初披露
(画像=▲フォルクスワーゲンが独ウォルフスブルグで開催した労使会議において、本年3月初旬にプロトタイプを一般公開し、2027年に市販化を予定する電気自動車のエントリーモデルを従業員向けに初披露。ベース車両価格は約2万ユーロ(約313万円)に抑えると予告、『CAR and DRIVER』より 引用)

 ベース車両価格を約2万ユーロ(約313万円)に抑えるという新世代のエントリーEVは、2023年にプロトタイプとして公開された「ID.2 ALL」の量産型とともに、フォルクスワーゲン グループ内のコアブランド傘下で開発された新しい小型電気自動車ファミリーに属し、MEB(Modularer E-Antriebs Baukasten)プラットフォームをベースに、最新のモーターと駆動用バッテリーを搭載する。プレスリリースに添付された画像を見ると、新たにデザインした円形のLEDヘッドランプとイルミネーション付VWエンブレムを配したうえで横長に一体化したフロントグリルや、縦型のLEDデイタイムランニングライト、厚みのあるバンパー、台形基調のフォルムなどが確認できる。シェーファーCEOは「手頃な価格、高品質、収益性の高いフォルクスワーゲンの新しい電気自動車は、ヨーロッパで生産され、ヨーロッパ向けに発売される。これは、自動車生産におけるチャンピオンズリーグに例えられるだろう」とコメント。また、カヴァッロ会長は「新しい電気自動車のエントリーモデルは、真の意味でのフォルクスワーゲンになる。したがって、ヴォルフスブルグ工場の従業員がカスタマーに先駆けて最初にデザインをプレビューするのは適切なことである」と力説した。なお、フォルクスワーゲンの小型電気自動車ファミリーにおける最初のニューモデルは量産型のID.2 ALLが担い、ベース車両価格を約2万5000ユーロ(約391万円)に設定して、2026 年にディーラーに並ぶ予定だという。

フォルクスワーゲンが労使会議で電気自動車のエントリーモデルを初披露
(画像=▲フォルクスワーゲンの小型電気自動車ファミリーにおける最初のニューモデルは量産型のID.2 ALLが担い、ベース車両価格を約2万5000ユーロ(約391万円)に設定して、2026 年にディーラーに導入される予定。写真は2023年発表のプロトタイプ、『CAR and DRIVER』より 引用)

 一方で会議の場では、ウォルフスブルグ工場の未来に向けた展開を公表する。フォルクスワーゲンAGは「Zukunft Volkswagen(未来のフォルクスワーゲン)」協定に基づき、昨年12月末に従業員代表団と持続可能なモビリティの分野における経済的安定、雇用、技術的リーダーシップを組み合わせた将来のビジョンについて合意。フォルクスワーゲンが2030 年までに世界で技術的にトップクラスの量産車メーカーになること目指して3段階の指針、具体的にはキャッチアップ(追いつき):コスト構造を最適化して既存のモデルのポートフォリオターゲットを絞って拡大することで競争力を強化、アタック(攻勢をかけ):2027年までに「ID.2 ALL」量産型と約2万ユーロのエントリーモデルの電気自動車を含む9つのニューモデルを導入予定、リード(リードする):量産セグメントにおけるテクノロジーリーダーのブランドとして新たな基準を設定して世界中でモビリティを推進、という内容を掲げている。

フォルクスワーゲンが労使会議で電気自動車のエントリーモデルを初披露
(画像=▲労使会議にはフォルクスワーゲンブランド最高経営責任者のトーマス・シェーファーCEO(写真・中央)、フォルクスワーゲンAGグループ従業員協議会のダニエラ・カヴァッロ会長(同・左)、ウォルフスブルグ工場のウーヴェ・シュワルツ工場長(同・右)らが出席、『CAR and DRIVER』より 引用)

 また、シェーファーCEOはウォルフスブルグ工場が電気自動車の時代においてもフォルクスワーゲン ブランドの中心的な施設であり続けることを強調。「ウォルフスブルク工場には未来に向けた明確な展望が開けている。“Golf(ゴルフ)”の生産拠点のメキシコへの移転が合意されたことで、先進テクノロジーのためのスペースが確保され、ホール54には新しい生産手順が導入される。そこでは新しいSSPプラットフォームをベースにした電動“Golf”の後継モデルと、量産電気自動車の“T-Roc(Tロック)”を生産する予定である。それによりウォルフスブルグ工場を、フォルクスワーゲンの新しいコンパクトクラスの電気自動車の拠点にすることができる」と説明する。なお、SSP(スケーラブル システムズ プラットフォーム)は統一されたシステムアーキテクチャーに基づく電気自動車専用のプラットフォームで、完全にデジタル化された、拡張性の高い新世代のメカトロニクス プラットフォームに仕立てているという。

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(画像=▲“Golf”(写真)の生産拠点はウォルフスブルク工場からメキシコの工場に移転。これによりウォルフスブルク工場における先進テクノロジーのためのスペースが確保され、新しいSSPプラットフォームをベースにした電動“Golf”の後継モデルと量産電気自動車の“T-Roc”を生産する予定、『CAR and DRIVER』より 引用)

提供元・ CAR and DRIVER

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