【ワシントン時事】トランプ米大統領は13日、関税や非関税障壁の高い国・地域からの輸入品に相応の高い関税を課す「相互関税」の検討を関係省庁に指示した。安価な輸入品の流入を抑制しつつ、貿易相手に市場開放を迫る。トランプ氏が問題視する巨額の貿易赤字の削減につなげたい考えだ。日本も対象となる可能性がある。

 トランプ氏は記者団に、「相手国がわれわれに請求するのなら、われわれも請求する。美しくシンプルな制度だ」と説明。「相互関税は公正を実現する」と話した。貿易相手国の調査には「数週間から数カ月」(米政府高官)かかる見通し。

 同高官は記者団に「戦略的な競争相手である中国であろうが、日本や欧州連合(EU)などの同盟国であろうが関係ない」と述べ、日本も調査対象になるとの見通しを示した。日本は「関税は低いが、構造的な障壁が高い」という。

 米政府は、米国の貿易赤字が大きかったり、非関税障壁が高かったりする貿易相手を優先的に調査。国・地域ごとに貿易環境を検証し、関税を設定する計画だ。

 トランプ氏は「中国は関税が高い。だから多くの企業が中国に工場を建てた」と指摘。中国に関税を課せば、製造拠点が米国に戻り、雇用が増えると強調した。 

 非関税障壁の検証では、規制や補助金、貿易相手の国内税制、為替政策など幅広い項目が対象になる見通し。例えば、EUでは輸入企業に関税のほか、付加価値税(消費税)を課しており、「関税とほぼ同じものだと考えている」(トランプ氏)。また、自国の通貨安誘導も米国の貿易赤字の一因とみている。

 不公正な貿易慣行に一方的に対抗措置をとる米通商法301条や、安全保障上の脅威に対処する国際緊急経済権限法(IEEPA)など複数の法律を活用する見通しだ。

 世界貿易機関(WTO)によると、2023年の米国の平均関税率(加重平均)は2.2%。日本は1.9%だが、農産品に限ると12.6%と米国の3倍の水準だ。

 13日にトランプ氏が首脳会談を行ったインドは12.0%で、高関税の国として知られる。EUは2.7%と比較的低いが、トランプ氏は「EUは貿易に関しては、ひどい態度をとってきた」と非難した。(了)
(記事提供元=時事通信社)

提供元・Business Journal

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