大手不動産賃貸仲介会社エイブルのグループ企業・エイブル総合研究所は今月10日、埼玉県川口市におけるクルド人と解体業者に関する内容をX(旧Twitter)上に投稿。これに対し批判が高まったことを受けて同日、同社は「不適切な表現が含まれた投稿がなされた件につきまして ご報告及びお詫び申し上げます」と謝罪した上で、当該投稿を削除。だが、そもそも問題となった投稿を行った意図がなんだったのかという点や、謝罪と投稿の削除をした理由は何かという点などをめぐり、さまざまな声が寄せられる事態となっている。解体業の現場ではクルド人を含む外国人労働者は増えているのか。そして、それはどのような変化をもたらしているのか。ある解体業者は「一部の業者ではむちゃくちゃな解体工事や危険な工事が行われている」と警鐘を鳴らす。
国内に800店舗以上を展開し、アパマンショップ、センチュリー21などと並び店舗数ベースでは不動産賃貸仲介業界トップクラスのエイブル。賃貸管理戸数は約32万戸、累計賃貸仲介件数は約645万件に上る。
そんなエイブルグループのエイブル総合研究所が今回X上に投稿した内容は、川口市のクルド人と解体業者に関するもの。川口市では以前から増加するクルド人によるゴミの投げ捨てや騒音が問題となっており、地域住民との摩擦も生じている。川口市のクルド人の多くは仮放免中の身。仮放免とは、難民申請が認められずに退去が確定した後に収容施設の外で生活することを認めるものだが、仮放免中の外国人は就労が認められていない。2024年2月のNHK報道によれば、川口市には約900人のトルコ国籍の仮放免者がおり、その多くはクルド人だとみられているという。事態を重く見た川口市は23年9月、国に対し、不法行為を行う外国人への厳格な対処(強制送還等)や、仮放免者の就労を可能とする制度構築などを求める要望書を提出している。
解体業者が外国人労働者に頼るという構図
エイブル総合研究所はX投稿のなかで、一部の地域では解体業の現場がクルド人頼みになっていると記述していたが、そのような実態はあるのか。解体業を専門とする株式会社クリーンアイランド代表取締役の谷池一真氏はいう。
「関東では解体作業の現場でクルド人の方が増えているということは以前からいわれていました。クルド人に限らず外国人の方を現場作業員として採用することで非常に安い費用見積を提示する業者も増えており、そうした業者に仕事を奪われてしまうというケースも増えています。一部の業者は外国人労働者を日当1万円以下といった非常に安い賃金で雇用し、ルールを守らずに早朝や休日にも作業をして近隣の人々に迷惑をかけたり、本来やるべき安全面での対策を行わないといったケースも見られます。トラックに山盛りの瓦礫を積んで、それらを落下させながら走行し、それが他の車両に衝突しそうになったり、手順がむちゃくちゃな工事をして瓦礫が隣接する建物の一部を破損したり、歩道にあふれ出るといったこともあるようです。近隣の人々がクレームを言っても日本語が通じないというケースもあります。
根底には深刻な人手不足で、なかなか日本人の労働者を確保しにくいという問題があります。そのため解体業者も外国人労働者に頼るという構図が生まれていますが、それでもしっかりと安全対策を行って正しい手順で工事を行っている業者が大半です。弊社の協力会社にも外国人労働者の方が多い業者さんがありますが、安全対策も工事の品質もまったく問題なくやっていただいています。問題のある業者というのは全体のうちでほんの一部だと考えられます」
(文=Business Journal編集部、協力=谷池一真/クリーンアイランド代表取締役)
提供元・Business Journal
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