上田綺世 写真:Getty Images

 2月13日に行われたUEFAチャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント進出をかけたプレーオフのファーストレグで、オランダ1部の強豪フェイエノールト・ロッテルダムがイタリア1部のミランに1-0で勝利し、セカンドレグに向けて有利な状況となった。開始3分にフェイエノールトのFWイゴール・パイションが先制ゴールを決め、そのリードを守り切った。

 この試合で注目を集めたのが、フェイエノールトサポーターのチャントだった。試合前のウォーミングアップ中、スタンドから「ヘーイ!ウエダ!オー!アー! 俺たちは知りたいんだ、お前はゴールを決められるのか?」という歌声が響き渡った。このチャントは、上田への期待とも、これまでのパフォーマンスへの不満とも受け取れるものだった。

 上田は2023年夏にフェイエノールトに加入し、欧州主要リーグへの移籍が噂されていたFWサンティアゴ・ヒメネス(ミラン)の後継者として期待されたが、当時ヒメネスの残留もあり十分な出場機会を得られていなかった。

 さらに、2024/25シーズンに入っても状況は変わらず、ヒメネスが依然としてチームの中心に君臨。9月にはヒメネスが大腿部の負傷で2か月間離脱。その間、上田はCLベンフィカ戦(3-1)や国内リーグのNACブレダ戦(2-0)、トゥウェンテ戦(2-1)、ゴー・アヘッド・イーグルス戦(5-1)でゴールを挙げ、ようやく存在感を示した。

 その後、国内リーグ10月末の対アヤックス・アムステルダム戦(0-2)で上田も負傷し、シーズン前半の残りを棒に振ることとなった。2025年1月に復帰し、CLバイエルン・ミュンヘン戦(3-0)でいきなりゴールを決めたことでサポーターの期待も高まった。

 しかし、2月にミランに移籍したヒメネスの代役として上田は2月のアヤックス戦(1-2)に出場したが、ほとんど存在感を示せなかった。PSVアイントホーフェンとのカップ戦(0-2)でも印象を残せず、ロッテルダム・ダービーの対スパルタ戦(3-0)ではFWフリアン・カランサに先発の座を奪われていた。