ドイツ高級誌「ツァイト」オンラインは「選挙戦ということもあって、各党の首相候補者、社会民主党のショルツ首相、『キリスト教民主同盟』(CDU)のメルツ党首、『緑の党』のハベック副首相、極右政党『ドイツのための選択肢』のヴァイデル党首、そして自由民主党党首のリントナー氏らが事件に対して遺憾と怒りを表明している。事件の全容がまだ明かでない段階でミュンヘンの襲撃事件を選挙キャンペーンのテーマにしている」と、少々辛らつに報じている。
選挙戦での争点は3点、①移民・難民対策、②AfD問題、③3年連続リセッション(景気後退)にある国民経済の再生問題だが、バイエルン州のアシャッフェンブルクで1月22日に起きた襲撃事件が契機となって、難民対策が再び選挙戦の中心的テーマとなった感じだ。
次期首相に最も近いCDU党首のメルツ氏は「法と秩序を一貫して執行する」と述べ、強硬な難民対策を打ち出す意向を明らかにしている。なお、ショルツ首相とフェイザー内相は「わが国で犯罪を犯したアフガニスタン人は強制送還される」と発表してる、といった具合いだ。
連邦議会の投票日まであと1週間余りとなった。各党は最後の追い込み中だ。「加害者は全ての難民を代表しているわけではない」、「事件を選挙運動に利用して移民に対して憎悪を煽るべきではない」といった声がソーシャルネットワークで流れている。
編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2025年2月15日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。