進化したAIが人類を滅亡へと追い込むのか――。世界有数のAIの専門家によると、進化したAIは同時に100万発のミサイルを発射する可能性があり、それが人類を滅亡に導くという。

■AI専門家「AIが100万発のミサイルを発射する」

 映画『ターミネーター』で描かれるAIに支配されたディストピアな世界はすぐそこまで迫っているのか――。

 世界的なAI(人工知能)研究の専門家でコンピューター科学者のスチュアート・ラッセル氏は、軍事AIは人間の監視や良心なしに一度に100万発のミサイルを発射できると説明し、人類を根絶やしにする可能性があるというショッキングな警告を発している。進化したAIが人類に引導を渡す日は近いのだろうか。

 米カリフォルニア州バークレー大学の「人間適合型人工知能センター(Center for Human-Compatible Artificial Intelligence)」の所長であるラッセル氏は現在、世界各国の政府に対しロボット兵器の禁止に向けて団結するよう呼びかけている。

 最近の「BBC」のニュース番組「Newsnight」に出演したラッセル氏は、現在のロシアとウクライナの紛争で、AI搭載の自律型ロボット兵器がすでに活用されていると発言している。

「主な懸念はAIによって兵器が人間の監視なしに完全に作動できるようになるため、1人の人間がボタンを押すだけでおそらく100万発の兵器を一度に発射し、全人口を全滅させることができるという点です。これは良い考えではないと思いますが、現状はそういう方向に向かっているようです」(ラッセル氏)

 このような大惨事が起きる可能性はどの程度あるのかと尋ねられると、同氏は「正直に言って、非常にあり得ると思います」と答えた。

 ラッセル氏は、現在のウクライナは「こうした種類の兵器の技術的進歩のるつぼ」になっており、「電子対抗手段」の開発により「ますます自律的」になっていると説明する。

「非常に可能性が高い」AIが人類を“絶滅”させる可能性があると専門家が主張
(画像=イメージ画像 Created with QWEN CHAT,『TOCANA』より 引用)

 少し前までの軍事ドローンは遠隔操作されており妨害電波で抑止できたのだが、ウクライナで使われている最先端の軍事ドローンには個々にAIが搭載されており、自律的な攻撃が可能になっているということだ。

 ラッセル氏は多くの国が「ロボット兵器は違法とすべき」ということに同意しているのだが、一部の超大国は禁止に反対していると苦言を呈している。アメリカやロシアを含む大国が、こうした種類の兵器の禁止に関する議論を阻んでいるとラッセル氏は批判する。

「現在、ほとんどの人はAIについて考えるとき、医療診断やチェスを一緒にプレイする相手がいるといった良いことを考えます。そして私たちAIコミュニティは、AIについて考えるときに人間の死が真っ先に思い浮かぶことを望んでいません」(ラッセル氏)

 はたしてラッセル氏の懸念が実現する未来は近いのか。めざましい進歩を遂げるAIのあらゆる可能性について議論を続けていかなくてはならない。

文=仲田しんじ

提供元・TOCANA

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