上記の動画では、NBAでバスケットボールの選手として活躍したコービー・ブライアント氏の動きを人型ロボットが見事に再現しています。

では、これほど俊敏な動きを再現できるASAPとはどんな技術なのでしょうか。

シミュレーションと現実のズレをなくす「ASAP」

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サッカー選手のクリスティアーノ・ロナウド氏の動きを再現した人型ロボット / Credit:Carnegie Mellon University

ASAPは、シミュレーションと現実のズレを修正する「デルタアクションモデル」という新しい技術を使っています。

まず、ロボットは人間の動きをもとにシミュレーションの中で動作を学習します。

次に、その動きを実際のロボットに適用し、どのくらいズレが生じるのかを調べます。

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シミュレーションと現実のズレを補正するASAP / Credit:Carnegie Mellon University

そして、このズレを補正するために、ロボットがどのように動けば良いのかを学習するモデルを作ります。

この補正モデルをシミュレーションに組み込むことで、より現実に近い動きを再現できるようになるのです。

最後に、最適化された動作モデルをロボットに適用します。

このアプローチにより、従来の方法よりもロボットの動きが正確になりました。

また、より素早く、より自然な動作を再現できるようになりました。

例えば、従来の技術で「キック」するよう指示すると、以下の動画のように、よろけてしまいます。

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従来の技術でのキック。ぎこちない。 / Credit:Carnegie Mellon University

しかし、ASAPを導入すると、現実とシミュレーションのズレを補正できるため、以下の動画のように、よりスムーズなキックが行えるのです。

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ASAPを導入したキック。スムーズ / Credit:Carnegie Mellon University

こうした進化によって、人型ロボットは一層人間に近づくことができました。