昔から揚げ物のようなまとめて作った方が合理的なものは、店で買った。あるいは、私が子供のころ、毎日、リヤカーに冷蔵庫のようなものを積んで昆布巻きとか、煮豆を売り歩いている「豆藤」さんというお店が大津にあった。

そうしたものは、家庭での調理がなかなか面倒だから買い求めたのである。そのお店は、いまや、京風のおばんざいをフル・レパートリーで京都のデパ地下で売っている。

そして、錦のお総菜屋さんなども後を追ったといっていいかもしれない。「錦平野」のだし巻きで定評がある。京都や大阪心斎橋の大丸、渋谷の東急地下街などにもある。

錦平野HPより

錦平野の隣の「井上佃煮店」は、煮豆などで人気があったが、本店は閉店。ただ、下鴨の高級食品スーパー「フレンドフーズ」でほそぼそと味を守っている。

井上佃煮 フレンドフーズHPより

桂を中心に何店舗かある「ごはん日和」はいかにも京料理的なものよりもうすこし広い現代の京都人の日常食。御池西大路にもある。

ごはん日和HPより

五条富小路にできた「だし」の老舗による惣菜専門店[ALLOUNENO]も好評。

ALLOUNENOインスタグラムより

ちなみに、『源氏物語』に登場する食材としては、雁の卵、鮎、フナ、貝類、干し魚、若菜、筍、蓮の実、栗、フルーツなどがある。