特にキューバは彼の両親がカストロ兄弟によって米国に移民せねばならなったという事情もあって、ルビオ氏はキューバのカストロ政権には常に厳しい姿勢を示して来た。また、ルビオ氏はキューバ訛りのスペイン語を話すバイリンガルの人物で、ラテンアメリカでの人脈は広く、彼個人の影響力は強いものをもっている。
だから、トランプ氏が最初に大統領になった時、ルビオ氏は彼にラテンアメリカの政治情勢などを頻繁に助言していた。そのこともあって、今回のトランプ大統領のラテンアメリカでの影響力の奪回にルビオ氏が最適任者であるとトランプ氏は判断したのである。
バイデン大統領の政権時のブリンケン国務長官とは違い、ルビオ氏のトランプ政権における影響力は前者とは比べものにならない。日本政府はトランプ大統領との関係づくりは非常に大事であるが、と同時にルビオ氏を味方につけることは日本外交にとって大事な要素である。例えば、彼は尖閣諸島は日本の領土だということを明確に表明している人物でもある。
ルビオ国務長官が中国からの奪回を開始
ルビオ氏が国務長官として最初に外遊を開始したのは、パナマ、エルサルバドル、グアテマラ、ドミニカ共和国、コスタリカの5ヶ国で、グアテマラ以外は台湾との国交を断絶して中国と国交を結んだ国である。この5カ国での訪問の成果は実りあるものになっている。その内容については次回に説明することにしたい。