26年度には単体で黒字化か

 CM再開の動きは広まっていくのか。

「結論からいえば、すぐに広まっていくとは考えにくく、3月に予定されている第三者委員会による調査結果の発表が終わるまではスポンサー企業も動けない。その後に再開の動きが徐々に広まるかどうかのカギをにぎるのは、やはりその調査結果の内容だ。内容を踏まえて、フジが中居さんの問題の関係者と幹部に対してきちんとした処分を下せるのか、この問題に限らず長年にわたり会社全体に根付いた慣習などを検証し、再発防止策や経営改革策を打ち出すことができるのかが問われることになる。そこでフジが曖昧な処分や対応で済ませれば、スポンサーからの信用を回復できずにCMが入らない状況が続くことになる」(テレビ局関係者)

 別のテレビ局関係者はいう。

「例年4~6月期の放送広告の商談・契約は1~2月に行われるが、たとえ3月の第三者委員会の調査結果報告とそれに対するフジの対応が一定の評価をされるものであっても、金額をはじめとする契約条件の協議に時間がかかるため、すぐに4月期からCM出稿が回復するという流れにはならない。当然ながらスポンサー企業は値引きを要請するので、それにフジがどこまで応じるのかという問題もある。スポンサー企業としても数カ月や半年程度はフジに本気で改革を実行する気はあるのかについて、様子見をする必要があるし、他社の動向も見ながら判断する必要があるためです。ですが、10月期からはかなりCM出稿が回復してくる可能性が高く、来年度もフジテレビ単体では赤字になる可能性はあるものの、26年度には期初からCMが入って黒字転換して意外に立ち直りは早いのではないかともいわれている」

 当サイトは1月27日付記事『スポンサー企業がフジテレビCM中止→数千万円の広告の効果なかったと気づく?』でテレビCMの効果について検証していたが、以下に再掲載する。

※以下、肩書・時間・数字・固有名詞等の表記は掲載当時のまま

――以下、再掲載(一部抜粋)――

 企業が高額な費用をかけてCMを放送して、それに見合う効果を得ているのかという点が一部で話題となっている。テレビCMには特定の番組内で放送する「タイム」と、番組は指定せず放送時間を指定する「スポット」があり。在京キー局の場合、タイムは1カ月で数十万~数千万円、スポットは1回当たり数十万~100万円ほどとされる。その費用対効果について、在京キー局の1社であるテレビ朝日は公式サイト上で次のように説明している。

<テレビCMの視聴率を合計した指標のGRPは、【個人全体視聴率×CMの本数】の計算式で算出することが可能です。仮に、視聴率が5%の番組に3本CMを放送した場合は、5%×3本=15GRPとなります。GRPはテレビCMの露出量ともいえます。この値が高ければ高いほど、より多くの視聴者の目に触れていると考えられるでしょう。すなわち、GRPが高い数値だった場合、出稿したテレビCM の費用対効果も高いと言えるでしょう>

<そもそも、テレビCMには商品やサービスへの興味・関心を抱かせるという役割があります。テレビCMなどのオフライン広告では、直接購入につなげる方法はありませんので、間接的な効果を考えるようにしましょう。たとえば、特定のテレビCMに何度も接触しているうちに、しだいに興味を抱くようになり、結果的に気になって購入するというケースもあります。テレビCMを視聴してダイレクトに商品の購入に至ったかまでは計測できませんが、間接的に視聴者の行動に影響を与えることはできます>