さて「琵琶湖ではワカサギが増えて困っている」というニュースを聞いて、意外だなと思う人は少なくないのではないでしょうか。というのもここ数年、ワカサギはいくつかの名産地で減少が問題視されているからです。

かつてワカサギを多産し、その卵が各地に放流されていた長野県の諏訪湖では、ここ数年は往年の10分の1程度の水揚げにとどまっています。またワカサギが名産だった茨城県の霞ヶ浦でも、昨年は漁業にならないほどに獲れなくなってしまっています。

全国的に減少傾向の「ワカサギ」は琵琶湖では厄介者扱い 増えるとアユが不漁になる?ワカサギ(提供:PhotoAC)

これらの湖でワカサギが獲れなくなった理由は「湖の温暖化」とされています。冷水を好むワカサギにとって近年の気候変動や河川水温の上昇、それに伴う湖水温の上昇は非常に厳しく、このままでは多くの湖で絶滅状態に至るという可能性も指摘されています。

<脇本 哲朗/サカナ研究所>