【ドイツ勢の最前線/最新モデル試乗】VWのワールドSUVが新型にスイッチ。最新ティグアンは走りと機能を大幅アップデート
(画像=VWティグアンTDI 4モーション・エレガンス 価格/7DCT 621万8000円。日本仕様は1.5リッターガソリンのeTSIと2リッターディーゼルターボのTDI 4モーションで構成。ガソリンはFF、ディーゼルは4WD。新型はDCC ProやIQ LIGHT HDなど先進機能満載。価格は487万1000〜653万2000円、『CAR and DRIVER』より引用)

広く快適。最新インフォテイメント機能はモダンで便利

 新型ティグアンが日本でも発売された。国際試乗会が行われてからわずか9カ月で日本仕様がリリースされるのは、VWにとって異例のスピードといっていいだろう。

 日本市場に導入されるパワートレインは、1.5リッターのガソリン(150ps/250Nm)に48Vマイルドハイブリッドを組み合わせたeTSIと2リッターのディーゼル(193ps/400Nm)を積むTDIの2タイプ。絶対的なパフォーマンスでいえばTDIのほうが有利だが、eTSIは低回転域のトルクの細さをハイブリッドで補っているほか、回転フィールの滑らかさではTDIを上回る。両者のキャラクターは力強さのTDI、スムーズで軽快なeTSIと説明できるとはいえ、どちらかいっぽうが絶対的に優れているとは言いがたい。eTSIは全グレードが前輪駆動であるのに対し、TDIは全グレードが4MOTIONと呼ばれる4輪駆動となるので、このあたりが判断の分かれ目となりそうだ。

【ドイツ勢の最前線/最新モデル試乗】VWのワールドSUVが新型にスイッチ。最新ティグアンは走りと機能を大幅アップデート
(画像=『CAR and DRIVER』より引用)
【ドイツ勢の最前線/最新モデル試乗】VWのワールドSUVが新型にスイッチ。最新ティグアンは走りと機能を大幅アップデート
(画像=『CAR and DRIVER』より引用)

 新型ティグアンのハイライトといえるのが、MIB4と呼ばれる新世代のインフォテイメントシステムである。率直にいって、VWの従来のインフォテイメントは操作系がいいとは言い難かった。大型タッチディスプレイを用いるMIB4は操作体系が大幅に見直されたほか、音声認識の実力も格段に向上し、使い勝手は見違えるように向上した。ダッシュボード上という一等地にディスプレイをレイアウトしたことも、視認性と操作性の両面から高く評価できるポイントだ。

【ドイツ勢の最前線/最新モデル試乗】VWのワールドSUVが新型にスイッチ。最新ティグアンは走りと機能を大幅アップデート
(画像=『CAR and DRIVER』より引用)
【ドイツ勢の最前線/最新モデル試乗】VWのワールドSUVが新型にスイッチ。最新ティグアンは走りと機能を大幅アップデート
(画像=『CAR and DRIVER』より引用)

 もうひとつの注目点が、アダプティブシャシーコントロールのDCC Proである。これは、電子制御式ダンパーに2バルブ式を新たに採用することで、減衰力の伸び側と縮み側を個別に設定。ハンドリングと乗り心地を同時に改善したという画期的なテクノロジーである。

 また、新採用のIQ.LIGHT HDマトリクスヘッドライトは左右で合計3万8400個もの発光素子を用いており、照明パターンを緻密にコントロールするとともに、路面をより高いレベルで明るく照らしてくれるという。

 ボディサイズは4545×1840×1650㎜。全長が30㎜長くなっただけで変化は少ないが、エクステリアデザインはメリハリのある彫刻的な造形に改められ、全般的に高いクオリティ感と先進性が強く伝わってくる。その一方で前後席ともにヘッドルームが拡大されたほか、ラゲッジルームの容積は37リッター増えて652リッターとなるなど、スペース効率が改善されたことも新型ティグアンの特徴といえる。

【ドイツ勢の最前線/最新モデル試乗】VWのワールドSUVが新型にスイッチ。最新ティグアンは走りと機能を大幅アップデート
(画像=『CAR and DRIVER』より引用)

Writer:大谷達也 Photo:Volkswagen/提供元・CAR and DRIVER

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