この性質は、防護材やヘルメットなど衝撃吸収を重視する製品にぴったりの可能性があります。

最後に、マイクロスケールのPAMに電気的な刺激を与える実験も実施されました。

すると、微小なリングやケージが相互作用して、電荷を加える向きや強さに応じて膨張・収縮する様子が観察されました。

これは外部からの電気信号を使って形を変える、バイオメディカルデバイスやソフトロボットの素材になるかもしれません。

こうした特性から、PAM は「粒状物質」と「結晶固体」の間を行き来する新しい素材として注目を集めています。

今後さらに研究が進み、実用化されれば、防護具や建物、さらには医療機器やロボット分野にまで、大きな変化をもたらす可能性があるでしょう。

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参考文献

Reimagining Chain Mail: 3D Architected Materials That Adapt and Protect
https://www.caltech.edu/about/news/reimagining-chain-mail

元論文

3D polycatenated architected materials
https://doi.org/10.1126/science.adr9713

ライター

川勝康弘: ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。

編集者

ナゾロジー 編集部