兵庫県知事のパワハラ問題もどこまでが事実で、どこからが虚偽かわからないし、最近亡くなられた県議に関しては、虚偽が行き過ぎると人の命を奪うことさえあると心に刻んでおく必要がある。人を貶めるような噂は背びれ尾ひれがついて面白おかしく拡散しやすい。匿名になると、心の中の醜悪さを包み隠さず、人を傷つけることなど想像もできないのだろう。
メディアにとって基本的な理念は事実確認だ。被害者の人権を盾に事実確認を怠れば冤罪は際限なく増えていく。
かつて、理化学研究所横浜研究所に在籍していた時に、委託企業がルール破りをして問題を起こしたが、新聞には「理化学研究所のセンターが問題を起こした」と見出しに大きく掲載されたことがある。新聞社に抗議した時、事実確認を怠ったことは認めたが、記事は訂正されなかった。メディアは人には厳しいが自分には大甘だ。
そして、笑福亭鶴瓶さんが、中居さんのバーベキューパーティーに参加していたことが報道されてから、寿司チェーンのコマ―シャルから姿を消したようだ。これを味噌と糞を一緒にするという。
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編集部より:この記事は、医学者、中村祐輔氏のブログ「中村祐輔のこれでいいのか日本の医療」2025年1月30日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。