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2023年、ブラジル代表のFWネイマールは、フランスの強豪パリ・サンジェルマン(PSG)からサウジアラビアのアル・ヒラルへ移籍した。移籍金は約146億円とされ、年俸は約240億円という破格の2年契約だった。しかし、2023年10月にブラジル代表戦で前十字靭帯を負傷して以降、アル・ヒラルでの出場はわずか7試合にとどまった。そして2025年1月、双方合意のもとで契約を解除した。
ネイマールの退団は、サウジ・プロフェッショナルリーグにとって象徴的な出来事ではあるが、リーグ全体への影響は限定的と見られている。彼の加入は、FWクリスティアーノ・ロナウド(アル・ナスル)やFWカリム・ベンゼマ(アル・イテハド)と並び、リーグの国際的な注目度を高めたが、度重なる負傷により本来の実力を発揮する機会がなかった。
UKメディア『デイリー・メール』によると、専門家の間では、ネイマールの退団が「リーグのブランド価値を大きく損なうことはない」との見解が多いとのことだ。元シンガポール代表のサシ・クマール氏は「他のスター選手たちが次々と去るなら話は別だが、その兆候は今のところ見られない」と述べている。
また、元サウジアラビア代表のアシスタントコーチであるロエル・クーマンス氏も「ネイマールは負傷の影響で本来の実力を発揮する機会がなかった」とし、「アル・ヒラルの攻撃的スタイルにフィットする選手だったが、不運だった」と語った。
アル・ヒラルは引き続き世界的なスター選手の獲得を目指しており、スペインの強豪レアル・マドリードのFWビニシウス・ジュニオールやリバプールのFWモハメド・サラーの名前が補強候補として挙がっている。クマール氏は「サウジリーグが世界トップ5~6のリーグを目指すなら、引き続き大物補強が必要だ」と指摘している。
一方で、ネイマールの今後については正式な決定はなく、古巣サントスへの復帰が噂されている。サントス時代(2009-2013)には6つのタイトルを獲得しており、もし復帰が実現すれば、ブラジル国内でも大きな話題となるだろう。