ロサンゼルスの倉庫または廃棄物処理施設の敷地内で、「HELP」の文字が地面に書かれているのがGoogleマップで発見され、物議を醸している。人身売買のSOS? それとも単なるいたずら? 謎のメッセージをめぐり、様々な憶測が飛び交っている――。
Googleマップで発見された不穏なメッセージ
カリフォルニア州ロサンゼルス、ユニオン・パシフィック鉄道近くの倉庫または廃棄物処理施設の敷地内で、「HELP」の文字が様々な素材で地面に書かれているのがGoogleマップで発見された。場所は、ロサンゼルス市庁舎から東に約1.6km、ロサンゼルス川、ノースミッションロード、セサル・E・チャベス通りの間に位置する。座標は北緯34度3分18秒、西経118度13分30秒。
「TRAFFICO(人身売買)」、「TERRORISMO(テロリズム)」といったスペイン語の文字や、「LAPD(ロサンゼルス市警察)」「FEDERAL(連邦)」「FBI」といった文字も見つかっている。
週末にかけて、これらの画像はソーシャルメディアで拡散され、人身売買組織からのSOSではないかとの憶測が広がった。Redditユーザーからは、「人身売買の被害者が、身の回りにあるものを使ってSOSを発信したのではないか。誰かが気づいたなら、当局も気づいていることを願う」といったコメントが寄せられた。また、X(旧Twitter)ユーザーからは、「輸送コンテナが人身売買に使われていることは周知の事実だ」と、現場が運送場に近いことを指摘する声もあった。
さらに、近くに穴やトンネルの入り口のようなものが見えることから、そこで悪質な行為が行われているのではないかとの憶測も飛び交っている。
Googleマップの画像はリアルタイムではないが、地元住民によると、不穏なメッセージは現在も残っているという。
Xで「LAguy」と名乗る人物は、現場近くに住むホームレスの女性に話を聞いた。彼女は、「HELP」の文字はホセという男性が「何年も前から」書き続けているものだと語った。「ホセはいつも『HELP』と書いています。あちこちに書いています。何年も前から」。彼女は、ホセがメッセージを書いている理由は知らないと付け加えた。
他の地元住民からも同様の証言が得られている。あるXユーザーは、「この地域に住んでいるが、頭が少しおかしいホームレスの男が数年前からやっていることだ。道路や歩道にペンキで書いたり、高速道路脇に石などを並べて『HELP』と綴ったりしている」と投稿した。また、近所の子供たちのいたずらではないかとの意見もある。
しかし、より不吉な理由がある可能性も否定できないとして、さらなる調査を求める声も上がっている。ロサンゼルスに長年住んでいると語るXユーザーは 「ホセを見つけて、人身売買ではないことを確認する必要がある」と投稿した。また、LAguyの動画に返信する形で、「ホセに人身売買についてどう思っているかインタビューしてみてほしい。武装せずに人目につかない場所に行くのは危険だ」というコメントも寄せられた。
当局は、拡散されている多数の画像や動画についてコメントしておらず、ロサンゼルス市警察もメディアの取材要請にすぐには応じていないようだ。
現時点では、人身売買やその他の犯罪行為が行われていることを示唆する証拠はないが、多くの市民がさらなる情報公開を求めている。