【香港時事】中国インターネット大手、騰訊控股(テンセント)傘下のネット銀行「深セン前海微衆銀行(ウィーバンク)」の完全子会社微衆科技は16日、香港本部の開所式を行った。香港拠点を軸にデジタル金融サービスの海外展開を加速させる見通し。東南アジア市場における事業拡大に向け、香港やインドネシア、タイなどの企業5社と同日に協力協定を結んだ。

 2014年末に設立した微衆銀行は中国初のネット専業銀行で、テンセントの金融事業を担っている。新設するフィンテック子会社の微衆科技は、24年6月に香港で設立承認を受け、登録資本金は1億5000万米ドル(約230億円)。微衆銀行の総裁で、微衆科技の会長を務める李南青氏によると、既に20件以上の技術協力プロジェクトで数千万米ドル相当の合意に達している。

 微衆科技は将来的に、香港でグローバルな営業・イノベーション拠点を構築する計画。深センの技術産業と香港の国際金融センターとしての強みを生かし、金融技術分野でのさらなる地域間連携を目指している。香港拠点を通じ、中国本土企業の海外進出を支援し、中国が提唱する広域経済圏構想「一帯一路」沿線国・地域に技術を提供する方針だ。

 式典に参加した香港政府の陳茂波財政官は「微衆が中国本土で培った成功事例や技術力を活用することで、香港の金融機関に新たな視点をもたらすことができる」と期待を示した。

 24年末時点で、香港にある金融サービス・テクノロジー関連企業数は前年比15%増の1100社超。陳氏は「新技術を通じて域内の金融機関は運営効率を向上させるだけでなく、商品の充実、サービスのイノベーションを推進できる」と述べた。香港の金融テクノロジー分野における競争力の向上を目指している。(了)
(記事提供元=時事通信社)

提供元・Business Journal

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