その壮大なスケールと悠久の歴史の重みに圧倒されるばかりのエジプトのピラミッドだが、驚くべきことに古い巨大ピラミッドがありふれた日常の光景である地域がある。中国・西安市の郊外には幾多の巨大ピラミッドが大昔から存在しているのだ――。

■何故か黙殺されている中国の巨大ピラミッド

 中国大陸は巨大なピラミッドに満ち溢れていた――。

 第二次世界大戦の終戦間近、アメリカ人パイロットのジェームズ・ガウスマンは中国軍に食料と物資を供給する任務を受けて輸送機を操縦していた。

 突然、航空機のエンジンが故障したため、北インドのアッサン空軍基地に戻らざるを得なくなった。安全性確保のため低高度を飛行していたのだが、眼下に広がる信じられないような光景を目撃したのだ。

 西安市上空を南西に向かって飛行していたガウスマンは、地表にそびえ立つ巨大なピラミッド型構造物に目を疑った。

 驚いたガウスマンは、その構造物の上空を何度か旋回してピラミッドの写真を何枚か撮影した。基地に戻った後に詳細な報告書も作成し写真と共に上司に報告したのである。

 この写真と報告書は米空軍の書庫のどこかに忘れ去られていたが、40年後、オーストラリア人作家、ブライアン・クロウリーが取材を通じて写真と報告書を発見し、その写真の1枚を自身の著書に掲載した。

 欧米人としてこの中国の巨大ピラミッドは新鮮な驚きをもたらすものであったが、この時期に中国におけるピラミッド構造はほかにも目撃されている。

 終戦後の1947年3月、「ニューヨークタイムズ」紙はモーリス・シーハン大佐が中国の上空を飛行していた飛行機からピラミッドを目撃したという記事を掲載した。

 シーハン大佐はガウスマンと同じように、巨大なピラミッドの上空を飛行し、彼によると高さおよそ300メートル、正方形の1辺が450メートルの大きさだったと報告している。しかし後にこの数字は誇大表現であったとされている。

 ともあれ高さ147メートル、1辺が230メートルであるギザの大ピラミッドを優に超える大きさであることは確かで、当時目撃された世界最大のピラミッドということになる。

 この巨大なピラミッドは驚くべきものだが、戦後に多くの航空機が中国の空を飛ぶようになると、中国で巨大なピラミッドを見たという報告は多くのパイロットから届けられ、アメリカの軍事衛星によって撮影された写真もあり、中国には巨大なピラミッドが数多くあることが徐々に明らかになってきたのだ。

世界最大のピラミッドは中国にある!?当局が黙殺する巨大ピラミッドとは
(画像=画像は「YouTube」より,『TOCANA』より 引用)

 しかし、不可解なことに、中国当局はそのような歴史的建造物の存在についておおむねノーコメントを貫いている。

 20世紀初頭、欧米の探検家や貿易業者は、中国の都市西安の近くに1つだけでなく複数のピラミッドが存在することを確認し、ヨーロッパの探検家の中にはピラミッド付近で金属物質のサンプルを採取した者も出てきた。

 分析の結果、金属物質は8000年前にさかのぼるもので、素材は今のところ不明であるという。ある研究者はこの金属物質は現代科学では知られていない素材であると指摘している。

 共産主義はその成り立ちにおいて基本的に宗教を認めていないが、現在の中国共産党も宗教に対して完全に否定はしていないものの、厳しい規制を設けている。近代以前の中国文化の宗教的要素にも慎重な態度を見せており、信仰的色彩を帯びた史跡や遺跡などについても微妙に距離を置いているようにも見える。

 この当局の姿勢が皮肉にもかつて中国で栄えていた超古代文明の痕跡の隠蔽に働いてしまっているのだろうか。できるかぎり早期に詳しい調査が行われることを期待したい。

文=仲田しんじ

提供元・TOCANA

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