実は「デイノニクス」だった?
CoolioArt氏は、この動画において描かれた恐竜は実際には「ヴェロキラプトル」ではないことを指摘している。動画の説明文によると、映画や原作小説で描かれた恐竜は「デイノニクス・アンティロプス」という種を基にしており、それが誤ってヴェロキラプトル属として分類されていたという。このデイノニクスは実際には映画で描かれたものの半分ほどの大きさだったが、それでも人間を仕留めるには十分な狩猟能力を備えていた。
スピルバーグとその制作チームが、映画のラプトルに科学的な改変を施した理由はいくつかある。まず、実際のヴェロキラプトルは体高約60センチメートルであり、人間を追い回す恐怖の存在としては画面映えしなかったことが挙げられる。また、1993年当時は、ヴェロキラプトルに羽毛があったという科学的証拠がまだ明確ではなかった。羽毛の存在が確認されたのは1998年、映画公開から5年後のことであり、化石から羽毛の痕跡が初めて発見されたのだ。
シリーズ初期の段階でも、恐竜が鳥の特徴を持っている可能性には言及されていた。たとえば、第1作ではサム・ニール演じるグラント博士が「恐竜は鳥の祖先」と説明し、後のシリーズではラプトルに羽毛を少し追加する試みも見られた。しかし、2015年の『ジュラシック・ワールド』では「遺伝子操作による不完全なクローン」という設定で科学的不正確さを物語の中で正当化している。
CoolioArt氏の再現動画を見れば、スケールと鉤爪(かぎづめ)のみならず、羽毛や鳥の特徴を持つラプトルがいかに不気味で不安を煽る存在かがわかる。その姿は、進化の奇妙なバグを目撃したような感覚さえ与え、夢に出てきそうな恐ろしさを持っている。
この動画は、恐竜がいかに多様で奇妙な生物だったかを再認識させる一方で、見た目も大事ということを教えてくれるのかもしれない。羽毛をまとったラプトルの姿を見たら、映画の制作陣が当時の科学を少し無視してでも、より恐ろしい存在感を追求した理由がわかる気がする。未来の恐竜映画では、こうした科学的な正確性がどのように取り入れられるのか楽しみだ。
提供元・TOCANA
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