弥生は1月14日、東京・秋葉原の弥生オフィスで武藤健一郎代表取締役社長執行役員 兼 CEO(最高経営責任者)の会見を開催した。2023年4月に代表取締役社長執行役員に就任し、翌24年10月に代表取締役副社長執行役員管理本部長 兼 CFO(最高財務責任者)に就いた前山貴弘氏も登壇し、AI時代の弥生の取り組みについて語った。
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(最高経営責任者)、『BCN+R』より 引用)
「スピードと強いリーダーシップが求められる」
会見の冒頭で前山副社長は、約1年半で社長交代という異例の人事の狙いについて説明した。
「世界は混とんとしている。リーダーシップによる推進力や強いチームが求められる中、弥生を取り巻く市場環境も複雑になっている。今まで以上にスピードアップして、より強い、よりよい会社にしていくために新たなリーダーを迎えた。私自身も後ろに引き下がる考えはなく、代表取締役としてともに会社をリードしていきたい」と語った。
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(最高財務責任者)、『BCN+R』より 引用)
なお、24年10月の社長交代や武藤新社長の経歴の詳細は過去記事を参照してほしい。
<過去記事>
弥生が社長交代、元Googleの武藤健一郎氏が新社長に、前山社長は副社長に
bcnretail.com/market/detail/20240912_454191.html
武藤社長は、1972年のブラジル・サンパウロ生まれ。大手コンサルティング会社でブラジルや米国でエンジニアの視点から、ERPのシステム構築やコンサルティング業務を担った。
2014年にGoogle Japan入社。広告事業責任者としてスモールビジネスから中堅、大手企業の事業課題の解決をサポートした。中でも、Googleの広告事業でAIを積極的に活用した経歴は、今後の弥生の製品や社内改革におけるAIの導入に期待を寄せている。
AI化でデジタルデバイドが発生しないようにする
武藤社長は、世界における三つの大きなSecular Curve(構造的変革)を、オンライン化(メインフレームからクライアントサーバー)、デジタル化(インターネット、モバイル、オンラインビデオ)、AI化ととらえて、現在は三つ目のAI化の立ち上げ段階にあるという。
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そうした中、ある程度ルール化された会計を自動化する上で、AIは相性がいいという。だた懸念や課題としては、AIを導入する企業とそうでない企業とのデジタルデバイド(技術活用格差)の開きの加速がある。
とりわけ弥生の顧客で多い中小零細企業や個人事業主などは、まさに格差が開く対象になりうる。ここに、弥生がさらに成長して、AIを活用したこれまで以上の価値を提供するチャンスが広がっているというわけだ。
武藤社長は既にGoogleでの広告事業で、AIによるデジタルデバイドを実感した体験談を披露した。
「Googleが広告システムにAIを導入しはじめたころ、獲得したいゴールや予算、キーワードを決めて自動的に広告を出していた。AIによる得意、不得意はあったが、AIを上手に使っている会社と、使いこなせていない会社とでは明らかにパフォーマンスに違いがあった」
コールセンターでは既にAIを導入
弥生の製品にAIを導入したイメージについては「ソフトの裏でAIが走っていて、業種に適したデータや、自分のほしいデータ、分析が出てくる。お客様がAIのおかげと気づかなくても『使いやすくなったね』と言われるようにしたい」と語った。
社内では既にコールセンターでAIを導入。質問のうちに約8割を占めるよくある質問にはAIが回答し、残り2割の顧客特有の質問や課題への回答は自社の専任スタッフが対応して、弥生ソフトの改善に反映している。
武藤社長はAIの知見を弥生の製品や社内に反映させて、税理士・公認会計士の資格を持つ前山副社長は管理本部長としてバックアップする。二人三脚の体制で、中小企業や個人事業主がAI化に取り残されないようにしていく。(BCN・細田 立圭志)
提供元・BCN+R
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