レアル・ソシエダ所属の日本代表MF久保建英は、1月19日に敵地で行われたラ・リーガ第20節バレンシア戦で人種差別被害を受けたことで話題に。ソシエダが非難声明を出すなど波紋が広がっているが、バレンシア戦前に海外メディアで紹介された久保本人のコメントが反響を呼んでいる。
スペイン紙『マルカ』などの報道によると、久保はタッチライン際でウォームアップの際、一部のバレンシアサポーターから「チノ(中国人)、目を開けろ、チノ、お前はチノだ!」と罵声を浴びせられたとのこと。その時の様子はソシエダの公式YouTubeチャンネルで公開された広報カメラで捉えられており、バレンシアサポーターによる発言がアジア人差別にあたるとして、批判が相次いでいる。
バルセロナの下部組織でプレーしていた頃から人種差別を受けていたという久保。フランス紙『レキップ』では1月13日、フランスフットボール誌による同選手のインタビュー未公開部分が掲載されているが、これによると本人は人種差別についてこう語っていたという。
「僕は子供の頃、その問題で悩むことがあった。確かに才能があると、どんな形であれ突き放そうとする人がいる。耐え難いことであっても、僕はそうした差別に反応しないことを好んでいる。僕はとてもいい選手だから、自分のプレーで彼らを黙らせるためにベストを尽くす。たとえ僕に影響がなくても、人種差別はサッカー界全体で止めなければならない」
久保は2024年11月、バレンシア州が洪水により壊滅的な被害を受けた際には「バレンシアで苦しんでいる方々のことを思うと心苦しい」などと被災者の心に寄り添っていた。それだけに、バレンシアサポーターからの人種差別を受けて、日本国内で怒りの声が収まらないのは当然だ。