一方で、ビラは左サイドバックのDFリュカ・ディニュが最前線のラインまで上がり、左サイドハーフのFWモーガン・ロジャーズが内側に入ることで、【3-2-5】を形成した。
シティが保持しつつ攻撃はいまいちの前半
試合前半はシティがボールを握る展開に。前半12分の段階でのポゼッションはシティが75%に対して、ビラは25%。大方の予想通り保持に関してはシティに軍配が上がった。ただ、ボールを保持していても、シティの攻撃はいまいちというのも、大方の予想通りだった。
前半を通してビラにとって脅威になりえたのは、右サイドからコンビネーションによってペナルティエリアに侵入したFWフォーデンもしくは、サイドチェンジによって1対1の状況が多かった左サイドハーフのFWジャック・グリーリッシュだけだ。
フォーデンに関してはそもそも1、2回しかチャンスがなく、グリーリッシュに関しても、対峙するDFマティ・キャッシュとの勝負においてのみであり、その後のクロス、シュートのクオリティを欠いた。
ビラの強固な守備がはまる
試合結果の要因は、シティが絶不調のためだけでなく、ビラの守備がはまったからというのもあるはずだ。【3-2-5】の布陣で攻めるシティ。対するビラはティーレマンスを前線に挙げた【4-4-2】でブロックを作った。
ビルドアップ時点では、シティの3センターバックと2ボランチ(5人)に対して、ビラのティーレマンスと3トップ(4人)では数的な不利であり、自陣に追い込まれることになる。ただ、ビラは追い込まれた後、自陣でブロックを形成してからはほとんど攻撃を通すことはなかった。
前述したダブルボランチはこの点において大きな効力を発揮した。シティの攻撃において重要な役割を果たすトップ下、フォーデンとギュンドアン。この2人にビラは守備的なダブルボランチ(カマラ、オナナ)をマンマークのような形で当てる。