なお、FIFA(国際サッカー連盟)が定めるルールによって18歳未満の選手については国際移籍が禁止されており、海外クラブで公式戦に出場することは原則不可能とされている。しかし、当該ルールに接触しないよう、一部書類を書き換えるなどして無理やり出場可能にするケースもあるという。
また、FIFAは2023年10月にフットボールエージェント制度を導入。国内外を問わずエージェント活動を行えるのはFIFAのライセンス保有者のみと定められたが、この資格を持たないまま選手を海外へ渡航させ仲介人や代理人として活動する者も少なくない。
特にスペインへのサッカー留学ブームは2010年頃から起きている。2010年のスペイン代表のFIFAワールドカップ南アフリカ大会優勝や、2009年夏に日本代表FW久保建英(レアル・ソシエダ所属)がバルセロナキャンプでMVPを獲得し、2011年に同クラブの下部組織(ラ・マシア)へ入団した影響が大きいだろう。
一度は落ち着いたかに見えたが、2024年にスペイン代表がUEFA欧州選手権(ユーロ2024)で優勝。同年、10歳の西山芯太君が神奈川県のFCPORTAからラ・マシアに入団するなど、スペイン留学ブームは今後数年は続くと見られている。
海外でプロを目指す選手や子どもを送り込む保護者は、会社の実態や代表についてよく調べ、FIFAのエージェントライセンスの有無等も確認するとよいだろう。こうした悪質な会社やエージェントの被害にあう選手が1人でも少なくなることを願うばかりだ。