「これをやれば採用難が解消される」といったものは、ない

 コンビニも手をこまねいてばかりではない。セルフレジの導入などさまざまな施策を進めている。

「セルフレジを入れても有人レジは残しておく必要があり、レジ横の中華まんなどのホットスナックの調理・補充・包装、宅配便の預かりなどのために一定の数の人手は必要です。コンビニ店員の業務は定型業務が多いと思われがちですが、実際にはクレーム対応を含めたイレギュラー対応が大半であり、決まりきった単純なルーティン作業というのはほとんどありません。たとえば、多岐にわたる機能を持つマルチコピーひとつとっても、いろいろなタイプのお客さんから操作に関するいろいろな質問を受けて、それに対応していかなければなりません。店舗オペレーションというのは個別対応の集積なので、店長がいない時間帯にはスキルのあるリーダークラスのアルバイト店員を含めて最低2人は配置しておかなければならなかったりします」

 人手不足のなかでも、アルバイト確保が順調にいっている店舗と苦労している店舗では、どのような差があるのか。

「結論からいえば、『これをやれば採用難が解消される』『こういう方策をとれば応募者が増える』といったものは、ないといっていいでしょう。お金をかけてアルバイト募集のサイトに告知を出しても効果が出るわけではなく、そうした会社に相談しても『より目立つ場所に募集を出しましょう』と高価格なメニューを提案されるだけです。採用した人材をどうすればより効率よく育成できるのかといったことは、いくらでも方策はありますが、応募がなくて採用できないという課題に対しては有効な手段がないのが現実です」(信田氏)

(文=Business Journal編集部、協力=信田洋二/Believe-UP代表取締役)

提供元・Business Journal

【関連記事】
初心者が投資を始めるなら、何がおすすめ?
地元住民も疑問…西八王子、本当に住みやすい街1位の謎 家賃も葛飾区と同程度
有名百貨店・デパートどこの株主優待がおすすめ?
現役東大生に聞いた「受験直前の過ごし方」…勉強法、体調管理、メンタル管理
積立NISAで月1万円を投資した場合の利益はいくらになる?