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1月17日、J1ヴィッセル神戸とメジャーリーグサッカー(MLS)のシアトル・サウンダーズが正式に提携を再開した。
両クラブの関係は、1995年の阪神・淡路大震災をきっかけに始まり、同年に神戸がシアトルを訪れ親善試合を実施。翌1996年にはシアトルの前身チームが神戸を訪れ、チャリティーマッチを行った。震災復興支援としてスタートしたこの交流は、技術協力やマーケティング面での連携へと発展したが、2000年代に入ると関係は次第に薄れていった。
今回の提携再開にあたっては、シアトル・サウンダーズの筆頭オーナーであるエイドリアン・ハナウアー氏が神戸の知久勇貴社長に接触し、協議が始まったという。Zoom会議を重ねた後、2024年12月末に最終合意に達したようだ。
神戸にとって、この提携は欧米市場での認知度向上やスポンサー獲得、選手の海外挑戦機会の拡大につながると期待されている。また、MLSのスカウティングネットワークを活用し、優秀な人材確保にも寄与する可能性がある。
具体的な成果として、神戸の若手選手であるMF山田魁人が、2025シーズン、シアトル・サウンダーズの下部チームであるタコマ・ディファイアンス(MLSネクスト・プロ)への期限付き移籍が決定。両クラブは今後さらなる協力関係の強化を図る方針だが、神戸にとって実際のメリットがどれほどのものかは、今後の展開にかかっていると思われる。
シアトル・サウンダーズは、1974年に北米サッカーリーグ(NASL)に所属するクラブとして設立された。その後、NASLの解散に伴い1983年にチームは消滅したが、1994年にUSL(ユナイテッドサッカーリーグ)で同名のチームが再結成され、2008年まで活動。現在のMLSに所属するチームは2009年に発足し、これらの歴史や名称を引き継いでいる。