そのため、最初に紹介した動画のように、瞬きする暇もなく真っ黒から半透明へと変身することができるのです。

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色素胞の変化/ Credit: Deep Look(youtube, 2015)

では、イカたちは何を合図にして体色を変えているのでしょうか?

何を合図に体色を変えているのか?

イカは動物界でも「視覚」の発達した生き物です。

レンズ・瞳孔・網膜を持つなど、その構造はヒトの目とよく似ており、最初の動画に登場するアオリイカなどは視力が0.6~0.7ほどあるとされています。

現代人の多くはスマホやゲームの見過ぎで視力が落ちているので、裸眼だと普通にアオリイカに負ける人も多いのではないでしょうか?

そしてイカたちはその優れた視覚から得た周囲の環境情報を脳に送り、それに基づいて体色を調整しているのです。

例えば、背景が岩場のように暗ければ黒色や茶色に変色し、何もない海中や明るい砂地であれば光を透過する半透明を選択します。

この動画を見ると、おそらくイカが墨を吐いたからでしょう。水が黒く濁っているのがわかります。

そこで水に戻されたときは体を真っ黒に変化させ、明るい空気中に持ち上げられたときは半透明に切り替えたのだと思われます。

彼らが体色を変える目的は皆さんもすでにご存知のはず。

代表的なものを挙げますと、天敵から身を隠すためのカモフラージュです。

背景色に溶け込むことで危機を切り抜けることができます。

あるいは逆に、天敵やライバルを威嚇するために体色変化を使う場合もあります。

確かに、近づいてきた相手の体色が一瞬にして肌色から真っ赤に変わったりしたら、かなりビビりますよね。