1066年10月16日は、イングランド軍がフランス軍に敗れフランス人がイングランドの国王になったという忘れがたい日です。「ヘイスティングスの戦い」の舞台となった「バトル」というイギリス南東部にある村では、ヨーロッパ史でも重要な節目となった戦いの実際の戦場跡を歩くことができます。
併設された博物館とともに、今あるイギリスを築くすべての基盤ともいえる歴史的な1日を体感することができます。
目次
フランス人がイングランド国王になった日、ヘイスティングスの戦い
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<バトルの村の中心>
イギリス人にとって歴史上で一番大切な1日、大きな影響を与えられた1日をあげるとすれば?と聞いたらなら「1066年のヘイスティングスの戦い」と答えるイギリス人がかなりいると予想されるほど、イギリス史を語る上で重要なのがヘイスティングスの戦いです。
1066年10月16日、北フランス、ノルマンディーから攻めてきたフランス軍にイングランド軍がたった1日の戦いで敗れ、フランス人をイングランド国王(ウィリアム1世)として迎えることになりました。
このヘイスティングスの戦いの舞台となったその名も「バトル」という村がイングランド南東部にあります。
バトルの基本情報
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バトルはロンドンから南南東80kmほどのところにある人口約6,800人の村です。「ヘイスティングスの戦い」のヘイスティングス自体は海岸沿いの街ですが、そこから約6kmほど内陸に北上したところにある静かな場所です。
小さな村とはいえ、ロンドン(ロンドンブリッジ駅、もしくはチェリングクロス駅)から直通の電車があり1時間20分と日帰りが可能なエリアです。
バトルアビー(バトル修道院)
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バトルという地名からも想像できる通り、ヘイスティングスの戦い以前は何もない場所でしたが、その直後の1067年以降イングランド王であったハロルド2世が戦死した象徴的な場所ということでバトルと呼ばれるようになり、バトル修道院も同時に建設されました。
現在、バトル修道院は博物館として開放され、実際の戦地となった場所も歩道が整備され歩くことができます。
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バトルアイビー
- 住所:Butter Cross, High St, Battle TN33 0AE イギリス
- 電話番号:+443703331181
- 開館日:土・日曜
- 開館時間:10:00~16:00
- 入場料:大人12.7ポンド、子供7.7ポンド
バトルフィールド(戦地跡)
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ヘイスティングスの戦いのまさしく戦場となった戦地跡にはバトル修道院からアクセスすることができます。博物館となっているバトル修道院外からとても分かりやすいサインがいたるところにあり、1kmもしくは2kmの歩道で周遊することができます。
春や夏の天気のよい気候のころには、1000年前には血だまりの戦場であったことなど想像しがたい気持ちのよいフィールドが広がっています。ただし、ところどころに戦いの日の一日の流れを説明するボードがあったり、ドラクエを彷彿とする戦士のモニュメントなどもあり感慨深くもあります。
歴史好きでなくても楽しめる!バトル修道院
「歴史に興味はあんまり・・・」「ヨーロッパ史はよくわからない」という人も多いでしょう。(私もその1人です!)バトル修道院は歴史に興味がなくても、家族全員で楽しめるとても素敵なところでした。
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修道院のオリジナル部分は遺跡として現在も残っています。
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プレイエリアも知育やしかけがふんだんに使われ、大人は木陰で森林浴など思い思いの時間が過ごせます。
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もちろん、カフェ施設も充実。趣のある建物を見ながらのんびりできます。
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週末や夏休み期間中などは、毎時間のようにイベントも開催されています。こちらは「中世のお城の建て方」を実際に巨大なモデルを使って教えてくれます。
幼稚園から小学生向けとは言え、説明してくれる人がとにかく話し上手で説明が分かりやすい!子供たちも飽きることなく、また大人にも楽しめるようにイギリス国内の他のお城と比較するなど約30分ほど熱心に聞き入ってしまいました。
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お土産ショップも広く品ぞろえ豊富でした。私たちは地ビールとおしゃれなTシャツを購入しました。
バトル自体はとても小さな村なのですが、バトル修道院と戦地跡、近辺には雰囲気のよいショップも多く、1日楽しめる場所としておすすめです。
魅力的な街・ライにもアクセスよし
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ロンドンから日帰りでバトルへと計画している場合は、ライといっしょに行くというのもおすすめです。
ライは、中世の街並みが残るレンガ造り石畳の街並みが美しく、アンティークショップが並ぶことでも有名です。ロンドンからの観光バスでルートに組み込まれることも多い人気の街です。
バトルからライは15km弱ですが、直通電車で約1時間15分で移動することができます。
イギリスを理解する上では外せないバトル
本来は「ヘイスティングスの戦い」ではなく「バトルの戦い」であるはずの1066年の一日の戦いが、イギリスの天地をひっくり返したことに違いはなく、その土地を踏みしめることができるバトルは一見の(一足の)価値大ありです。
文・写真・ちき/提供元・たびこふれ
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