板チョコといえば左右に溝が走り、碁盤の目のように分割されているものが多い。溝がある理由について、多くの人は「溝に沿って綺麗に割るため」や「友達と分けやすいように」といったことを思い浮かべるのではないだろうか。しかし板チョコの溝には、実はもっと深い意味が隠されているようだ。その理由について詳しくみていこう。

皆で分け合うためではなかった!? 板チョコの溝の秘密に迫る
(画像=溝でキレイにチョコを割れるけど……
(画像はイメージ)、『BCN+R』より 引用)

板チョコの溝には多くの秘密が隠されていた?

 板チョコはなめらかに溶けたチョコレートを型に流し込み、型を冷却するという流れで製造される。この時にチョコが大きな塊のままでは、チョコの中心部が十分に冷えるまでに時間がかかってしまうという問題があった。

 そこで板チョコに溝を入れることで、型とチョコレートが接する面積を増やすことに。冷却効率を大幅にアップさせて短時間でチョコレートを製造できるだけでなく、口どけの良いなめらかな食感にもつながっているのだ。

 さらに溝のデザインはチョコレートの風味にも影響を与えている。チョコレートを口の中に入れた時、チョコが触れる面積の違いによってカカオの香りの立ち方や苦みが変化。そのため単純な直線状の溝だけでなく、細長い溝やギザギザの溝など、様々なパターンの溝が採用されている。

 ちなみに製造時にドロドロに溶けているチョコレートの温度はおよそ40~50℃。チョコレートは28℃くらいから溶け始めるため、保存する時には28℃を超えないように気をつけたい。

 単なるデザインにも見える板チョコの溝には、板チョコメーカーのこだわりが詰まっている。板チョコを購入することがあれば、味や風味だけではなく溝のデザインにも注目してみてはいかがだろうか。(フリーライター・波多野陽介)

■Profile
波多野陽介

学生時代からクイズ好きで、卒業後からフリーライターとして活動中。世の中の様々な雑学、トリビアを中心にオールジャンルの記事を手掛けている。知識量を増やすべく日々リサーチ中。

提供元・BCN+R

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