――日本の大卒初任給が30万円を超えたということがニュースになっていますが。

初任給の上昇に取り組む企業も一部には見られるようですが、それはあくまで限られた事例に過ぎません。多くの職場では契約社員や派遣社員が増加し、全体的な賃金の上昇にはつながっていないように見受けられます。また、共働き家庭が増加している一方で、生活費や学費の負担に苦しむ方々が多いという印象を受けます。

就職活動における競争が以前よりも激化しているという話を耳にしました。結果として、希望する職種に就ける方は限られていて、派遣社員や契約社員として働く方が増加しているとのことです。生活に不安を抱える若い世代も少なくないようです。

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――売り手市場と言われても希望通りに就職できる学生は多数派ではないのですね。

そうです。こうした背景から、大学生の中には、安定した職を目指して専門的な資格を取得しようとする方が増えているようです。たとえば、理学療法や看護といった医療系の分野を志す学生が多いことが目立ちます。これらの分野は比較的安定しているため、選択されることが多いのでしょう。ただし、資格取得を目指す学生の中にはダブルスクールを余儀なくされている方も増えており、その負担は大きいといえます。

また、現代の若者は安定を求める傾向が強く、社会の変化に非常に敏感であるように感じられます。先日、本屋に足を運びましたが、自己啓発やスキルアップ関連の書籍がとても人気を集めていることがわかりました。これらのジャンルの書籍がランキングに多く並ぶ様子からも、若者が将来への不安を解消しようと努力している姿がうかがえます。

(その2につづく)